すれ違っている夫婦の温泉記①
夫はいつも冷めている。
行ったり見たりしたことを「良かった」と言うこともあるけど、
大抵は「ま、こんなものだな」などと冷静に言うことが多い。
私はよく感激する。
「良かった!」「すごかった!」「楽しかった!」
など、感嘆詞をいくつもつける。だって、本当に素晴らしかったのだから。
そんな二人が旅に出た。
夫が「カニが食べたい」と言うので城崎温泉へ。
最初から別行動。夫はバス。私は原付。駅で待ち合わせ。あこがれの特急こうのとりに乗る。
さて、到着。すでに午後1時。さあ、どうする?
夫は城崎文芸館に行くという。私は「玄武洞」が気になり、「行ってくる!」
では、4時にホテルでね。
ひとり、バスに飛び乗る私。ワクワクする。
午後4時。ホテルで落ち合う。
私「文芸館、どうやった?」
夫「うーん、もうひとつやったなあ。城崎の歴史がもうすこしあると思った」
私「こっちは良かったよ!すごくキレイだった!マグマが固まって柱ができているんだよ。すごい迫力。思っていたよりすごかった!」
「紅葉もとってもきれいだったよ!」
「ミュージアムもあって、地球の大昔の話とか、勉強になったわー!」
夫「ふーん」
チェックイン後、夕食までに外湯に行くことに。
夫「先に行くよ」
私「どうぞ」
一番近い地蔵湯
向こうで入れ違いになる。
帰ってきて
私「お風呂、熱かったけど、気持ちよかったね」
夫「あんまり大きくないし。もうひとつだったなあ」
私「ええっー、私は楽しかったよ」
夫「楽しかったか?」
私「だって浴衣着て、下駄をカラコロさせて歩くの、楽しかったよ」
夕食のカニは、そこは二人とも大満足。
お腹いっぱいになってビールも飲んだら、動けない。内湯も入れず、9時半にダウン。「おやすみなさい」
明日に続く。