
読書日記『きれいなシワの作り方』村田沙耶香著
エッセイ塾の課題図書。村田沙耶香、初のエッセイ集。
『きれいなシワの作り方』
表紙の黄色いデザインもかわいい。
an・anに連載されたものとのことです。作者35歳~36歳くらいの話。
サブタイトル「淑女の思春期病」
思春期はとうに過ぎたはずだったのに、アラサーになって、身体の変化と心の変化。心が揺れる。まさしく大人の思春期。
初めの方は、オードリー若林さんに教えてあげたいくらい、自意識過剰で、身動きがとれない。自分をどうアピールしたらいいか迷ってFacebookを書けない。結婚、産むか産まないか。ひとりでバー、美容院の浮気、「懐かしい」が怖い、最後のセックス考もある。
30代のひとり女性の心の奥を表現していて、興味深かったです。そして後半に行くに従って、今度は日常の出来事が面白くて。作者ものびのびと書いておられるように思いました。1編が短いこともあり、すんなり読むことができました。面白かったです。
淑女は大人っぽい。「女子力」はあふれていました。化粧の話とか。
『きれいなシワの作り方』
タイトルがいいですね。これから年を取って、シワはできる。でも、きれいなシワを作っていきたい。
いつか胸を張って、私の皺はきれいな皺なんだよ、と笑って鏡を見ることができるようになりたい。今、鏡を見て心がイガイガしてしまうのも、成長痛だと思えば愛しい。
私たちの年代、アラセブンにしてみると、アラサーなんて、「あなたたち、まだまだ若いわよ」と言いたいところですが、「心も身体も、きれいに年を取っていく」というのは、年齢は関係ないと思いました。私だって、これから美しく年を取って、きれいな皺を自慢していくのだ。
今、思ったけど、「美しい」じゃなくて、「きれい」なんだな。
村田沙耶香さん『コンビニ人間』だいぶ前ですが読みました。芥川賞受賞作。実は今、芥川を読んでいる。
