Podcast_哲学する哲学対話#4「哲学対話で”ヤバい”ことが起きている〜未来の哲学対話を求めて」

「哲学する哲学対話」#3「哲学対話で"ヤバい"ことが起きている〜未来の哲学対話を求めて」(戦略会議①-4)が配信されました。番組はこちらからお聞きください。

一般社団法人てつがく屋さんの哲学対話/アーギュメントを作り出す力(Make Clear to the Mind)/ 「わかったぞ!」「そうだな!!」ってなる言論行為が「アーギュメント」/小学生がガンガンアーギュメントをやる/こんな子供たちが社会に出てきたら事情が変わる/一回きりではなく持続的に継続的な集団を作る/彼らが力を発揮できるよう社会を早急に変えねば/アーギュメントを作る能力は生得的?/論理的思考は文化・社会相対的/みんなでやらないと、やることありすぎて時間が足りない/哲学研究者は絶対に一回はこの感動を味わっている/考えて終わるだけでなく社会を変えねばならない。みなさん一緒にやりましょう。

#3「哲学対話で"ヤバい"ことが起きている〜未来の哲学対話を求めて」より

今回は、「戦略会議」の最終回をお送りします。今回は、佐々木さんが最近見学に行かれた、香川県でカフェを営みつつ哲学対話を実施されている「哲学屋」さんの実践について、とても興味深い事例が語られています。

哲学対話に人が何を求めるか、何を目標や目的とするかは色々ありますが、佐々木さんは、その核心に「アーギュメント」を作ることにあると言います。argumentの語源は、「ラテン語のargumentum「論理的な議論;証拠、根拠、支持、証明」に由来するとされます。動詞のarguereは「明らかにする、知らせる、証明する」を意味します。

紀元1300年頃、「論理的な主張を使って提案を証明したり反駁(はんばく)したりする」ことから、古フランス語のarguer「意見や見解を主張する;悩ませる、非難する、告発する、責める」(12世紀)に由来し、最終的にはラテン語のarguere「明らかにする、知らせる、証明する、宣言する、示す」から来ています(これはPIE語根*arg-「輝く;白い」の接尾語がついた形)。「フランス語への伝わり方は、中世ラテン語での「議論する」という意味のarguereか、arguereの多用される形としてのargutare「おしゃべりする、ぺちゃくちゃ話す」からかもしれません。

https://www.etymonline.com/jp/word/argument

哲学屋さんで行われている哲学対話では、まさに、小学生たちがこの「アーギュメント」を作り、実践していることを目の当たりにしたことを報告されていました。しかも、個人的な経験で止まるのではなく、この「わかった」という経験を集団で共有できている。問題は、このような場をどのようにして作り出すことができるのかということで、これができれば、社会の側は大きく変化するのではないかと思います。

論理的であるということが、文化的・教育的な違いによって規定されているということについて、番組内で挙げられていたのはこちらの本です。


今後は、小林と佐々木による戦略会議に加え、色々なゲストの方をお招きし、独自の視点から哲学や学問と社会との関係をどう考えるのかについて、お話しいただき、共に考えていく回も予定しています。

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