Blankey jet city「red guitar and the truth」

自分は生まれたばかりで「イカ天」という番組をリアルタイムで見たわけではないが、YouTube等で番組を見た感じブランキーのような硬派なロックをやるバンドが出るような感じではない。

しかしメンバーはブランキーを世に広める為に番組に出演する、そして見事に「第六代イカ天キング」を獲得し、デビューを果たす。

そして待望の1stアルバム「red guitar and the truth」をリリースする。

この作品はロンドンでレコーディングされた、プロデューサーはジェレミーグリーンという人だったが、この人はクラッシュやピストルズも手掛けた人らしい。

ブランキーのメンバーはプロデューサーに

「クラッシュと同じサウンドにしてくれ」

と頼んだらしい。

自分はクラッシュを聴いたことがないので、クラッシュがどういったサウンドかはちょっと分からないが。

しかしジェレミーグリーンという人は何を勘違いしたのか分からないが、ブランキーの持ち味である、ソリッドなサウンドを完全に殺したサウンドにしてしまった。

余計に音を加工したりせずにそのままの演奏を切り取れば良かったのだが、変にギターやヴォーカルにリヴァーブが効きすぎていたり、余計なコーラスを入れたり、ドラムの音が引っ込んでいたり…曲の良さを台無しにしてしまっているのである、音全体に靄がかかっている感じがする、一体ブランキーをどういったバンドだと思ったのだろう。

ロックというか…何となく歌謡曲っぽいサウンドになってしまっている、歌謡曲はいいのだが、ブランキーはそうじゃないだろう。

「原曲は最高なのにもったいない」

と思ってしまった。

もしこのアルバムが「bang!」と同じサウンドだったら、確実にロックの名盤になっていただろう(ひょっとしたらbang!以上の)

「bang!」発売後ライブアルバムがリリースされるがここに収められている1stアルバムの曲のサウンドは最高で、この感じで録音すればよかったんだが。

1stアルバムでの詩の世界観は繊細でありながら狂気の世界が広がっている、さっきも書いたが、やはりサウンドがもったいなすぎる。

実際メンバーも1stアルバムは気に入っていない、浅井健一もラジオで

「日本でレコーディングすればよかったな…」

と言っていたが。

しかし曲そのものは全て良いです。

「イカ天」というと後年になると日本のロックシーンを語る上でネガティブな文脈で扱われることが多いが、ブランキーを世に出しただけでも価値があったのかもしれない。

そしてブランキーをキングにしたの審査員の感覚も中々のものだった…

とも思う。

1stアルバム「red guitar and the truth」の曲はライブバージョンで聴いた方がずっと良さがわかる。

ブランキーの初期の世界観はやはり凄い。

例えば「last dance」の

「僕の心を取り戻すために」

かっこよすぎる。

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