Led Zeppelin「how the west was won」
ツェッペリンのオフィシャルのライブ版は1976年「永遠の詩」と1997年の「BBCライブ」となっている、ライブバンドであるツェッペリンにしては少ない気がする、もちろんブートレグは大量に出回っているが。
この二つのライブ版も聴いたことがあるが、どれが1番かと言われると当然「how the west was won」である。
まず「音圧」がハンパじゃない、もし「現代にツェッペリンが現役で活動していたら」と考えるとこういったサウンドになっていただろう。
一曲目の「LA.drone〜immigrant song」からいきなりロバートプラントの咆哮である、70年代ではロバートプラントのヴォーカルも高い声がバシバシ出てる、これぞハードロックの声である。
「dazed and confusion」と「whole latte love」は長く20分〜30分以上ある、「whole latte love」では途中全く違う違う曲を挟む、キャッチーなロックンロールだがこれも良い、ツェッペリンはライブ毎に演奏が変わっていたらしい、「同じ曲を、同じ様に」というスタイルではない、これがツェッペリンでもある。
「moby dick」はジョンボーナムのドラムをフィーチャーした曲だが、しかしこのライブアルバムで最も聴くべきポイントはドラムではないか。
当時「世界一のロックドラマー」と言われていたが、どの曲でも圧倒的ドラムのセンスを感じることができる。
80年代に入りメタル全盛期に入ると素晴らしいテクニックを持ったドラマーが沢山出てくるが、しかしジョンボーナムのドラムというのはテクニック云々を通り越した唯一絶対的な演奏となっている、ドラマーは全世代必聴だろう。
ライブアルバム全体を聴いて思ったのが、「生音感」が素晴らしく、「嘘偽りのない剥き出し」の演奏が良い、まるで「音の格闘技」である。
70年代というのまだテクノロジーに頼った演奏ではなく「生音感」がすさまさじい、ロックというのはやはりこうでなくてはと思ってしまった。
しかし敢えていうならこのライブアルバムは一曲一曲演奏した場所が違うので、できれば一つのライブを通した構成にして欲しかったが。
とはいえこの「how the west was won」はロックをやっている人は必ず聴かなければならない的なライブアルバムの名盤であることに間違いはない。
しかし最近のtiktokやyoutubeのショート動画に慣れてしまっている若い人は、かなりのヴォリュームである、全てを聴き通すにはかなりの労力だと思う(笑)
「ギターソロはいらない」と言われる現代の風潮?
だが、そういった風潮がある現代でこそ聴かれるべきだと思う。
元ブランキーの照井利行氏がこのライブアルバムと同時にリリースされたDVDを観て
「あの演奏の凄まじさって今ないと思うんだわ」
と言っていたが、その通りだと思う。
現代に失われた「ロックのダイナミズム」がこのライブアルバムには存在しているのである。
…関係ないが動画でライブアルバムを載せたがスマホで聴かずいっぱしのオーディオやdap(ウォークマン)で聴いてほしい、迫力が全然違うと思う。オーディオだと近所迷惑になる人はソニーのウォークマンでいいと思う、今のウォークマンは昔と違いかなり進化しています。
自分がレビューした他のアルバムもできればそうしてほしい、スマホだとどうしても音が縮こまってしまうからだ。
ハイレゾやバランス接続はおすすめです。