【桜蔭】は良い学校?
私は桜蔭のド底辺(下位7%)だったので、わりとネガキャンをしがちである。
しかし、そもそも母校の紹介をするOGが、学校そのものを褒めているのをあまり見たことがない。
みな口を揃えて、「生徒の質が良い」「人脈作りをするには良い学生生活だった」と言う。
というのも、まず桜蔭は特徴的な学校行事が1つもない。
修学旅行は東北(中学)/京都奈良(高校)と地味な行き先で、文化祭もクラスでの出店等は一切無い。比較的活動的な部活に所属する人たちが発表する場とするくらいで、部活のシフトがなければ出席してもしなくても良い。体育大会もあくまで“祭”ではなく“大会”。
他にある行事といえば、“自然に親しむ日”という名の遠足くらい。これもフィールドノートという小さなノートを片手に、「校外」で「学習」するのがメインだった。
某中学受験塾では、御三家志望を増やすための高時給チューターが居る。自分も桜蔭出身としてチューターをしているが、他の学校と比べると本当に話すことが無さすぎるのが現実である。
では、勉強に重きをおいているのか。
そんなこともない。
中高通して赤点は無く、補習は中2くらいで消滅した。順位も教えられず、唯一受ける1年に1回の外部模試はなぜか進研模試(高3だけ駿台模試)。
女子校とは思えぬ強すぎる合格実績も、学校側がアピールすることはまず無い。
学校は何もしていないからだ。
勝手に鉄緑会に行って(2024年現在全校生徒の約63%)、勝手に勉強して、勝手に東大に行っている。
はっきり言って、面倒見は悪い。
特に、高校数学演習の授業は本当に酷い。
事前に問題を解いてきて、授業で解説をされるスタイルだが、この解答の板書を書くのは生徒だ。割り当てられた番号の問題を生徒が板書し、それを公開採点する形で解説を進める。
黒板いっぱいに複数生徒が解答を一斉に板書
↓
先生が高速で公開採点
↓
すぐ消して次のサイクルへ
この順番で授業が進む。事前にある程度解けていなければ、当然解説は写し終わらないまま呆気なく消される。
高3理系は週9時間これを繰り返す。学習が追い付いていない底辺たちは、予習もままならず、授業では振り落とされ、救済は無い。
この授業のとき、鉄緑勢はたいてい自分の担当の問題だけを予習してきて板書し、あとは聞かずに鉄緑会の宿題をいそいそとやっている。
学校に行く意味は何だったのだろうと、卒業した今でも思う。人脈作りという意味では、良い環境であることは間違いない。
ただ、めちゃくちゃ青春コンプレックスである。
楽しくなかったわけではない。
凄く楽しかった。
凄く楽しかったけど、やはり貴重な中高6年間をここに捧げるほど価値は感じない。
何が価値ある中学受験なのか、入ってみないと分からないことがほとんどだ。
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