琉生

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晩夏のカエル

カエルは土から出てくると 空が高いのに気が付いた 雨上がりの陽の光は もうずいぶんと遠くに見えて しずくの一滴がこずえの先から滴った さてこの一滴が カエルの鼻の先を打つと 少し肌寒くなった 乾いた落ち葉の下が まだ少し暖かかった 気の早い仲間たちは もう鳴くのもやめて せっせと冬の支度に入るらしい カエルは土の中で 自分はどうしようかと考えて まぁ、あと一週間くらいは鳴いてみようかと そしてもう一度眠ることにした 今年の夏は雨が多かった 真夏のある夜 湿った空気に胸を躍

    • 晩夏

      洗濯物を干し忘れていた この匂いは何だっけなと 夕方の雨に似たような 気にせず部屋に干していると やはり妻が飛んできて 窓を開けると空色の 冷たい風が舞い込んで 今年も夏は終わりかと