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オンチェーンの流動性について:超初期的解説

こんにちは。共同代表のTaishiです。DeFiance Capitalを尊敬しています。会社の名前もDeFiance Capitalから取ってくる程度には尊敬しています。

色々な議論や意見がありますが、個人的にはオンチェーンの流動性はプロジェクトの成功にとって非常に重要なので書こうと思います。この論点ですが、色々と課題のあるこの業界で法律的な問題が~とか言う以前に、問題提起すらされていないことに個人的には大きな危機感を覚えています。まるで3年前を見ているような感覚です。

さて、そんなぼやきは置いておくとして、今日はオンチェーンの流動性についてダラダラ書いていきます。最初に断っておきますが、この記載はオンチェーンの流動性のみを考慮したものです。つまり、CEXの流動性は簡単に偽造でき、中央集権的な懸念があるため(例:FTX、見せ板、MM)、考慮対象とはしておりません。ご了承を。

今日のお品書きです。

・Max Treasury Valueについて
・Liquidity Health(流動性の健全性について)
・インフレ率
・オンチェーンの流動性を高める方法
・これらの値が低いとどうなるのか

Max Treasury Valueについて

Max Treasury Valueとは、すべての既知の流動性プールから抽出できる流動性の総量を意味します。言い換えれば、あるプロジェクトがMarket Capの全量(利用可能なすべてのトークン)を清算しようとした場合、BTC、ETH、BNBなどの資産でどれだけの価値を引き出すことができるかということです。DeFimansではこの値を、プロジェクトの財務の健全性と持続可能性を評価するための重要な指標と見なしています。

Liquidity Health(流動性の健全性について)

流動性の健全性は、トークンの成功に重要であると判断しております。

- 流動性の健全性:流動性の深さと時価総額(Market Cap)の比率。

流動性とは:トークンの価格に影響を与えることなく、トークンを他のデジタル資産に変換することの容易さを指します。

なぜMarketCapに対する深い流動性が重要なのか:

- 新規購入者の獲得 :オンチェーンの流動性が低いと、価格への影響やスリッページが加速するため、既存および将来のサポーターは購入を強く控えることとなります。これは市場参加者の購買意欲を削ぎ、成長に水を差す結果をもたらします。

売り逃げからの保護:オンチェーンの流動性が低いと、価格インパクトやスリッページが加速度的に大きくなるため、売り手はより早く売ることを促されます。売り手が早く売りたがれば売りたがるほどトークン1枚あたりの売却額は少なくなるため、誰もが最初に売るインセンティブを持つ結果となります。その結果、1回の中規模な売り崩しでさえトークン価格を暴落させ、トークンの強力な支持者でさえFUDを引き起こし、価格がボトムに向かい続けるという不可逆的な死のスパイラルを引き起こす可能性があるのです。

総括すると、**良好な流動性**はプロジェクトを魅力的で、ベアマーケットから回復力のあるものにすることが出来ます。

当然のことながら、流動性の健全性が悪ければ、その反対の結果となります。

インフレ率について

- インフレ率とは、本記載では発行体はトレジャリーから流通供給のために放出するトークンの枚数とその比率を指します。

適切な成長(需要)を伴わずに流通供給(供給)を急激に増加させると、トークンは暴落します。これは単純な需要と供給の経済学的問題です。

ベアマーケットでは、需要は非常に低いと考えて差し支えないので、供給を管理することは非常に重要です。

リターンを求めずにトークンを使っているのであれば、それはトレジャリーを浪費し、トークンを無意味に希釈化させ、流通量を膨張させていることになります。

オンチェーンの流動性を高める方法

オンチェーンの流動性はプロジェクトの健全性を市場に向けて透明性を持ってアピールすることが出来るうえ、客観的な証明が出来るため将来的にも非常に有効な指標となると考えています。

オンチェーンの流動性はトークンのユーティリティ拡張、他プロジェクトとのパートナーシップに伴うインテグレーションによって高めることが出来ます。他のプロジェクトがインテグレーションに応じてくれるよう、プロジェクトとしての評価及びトークンそれ自体の評価を大事にしていきましょう。

提携候補先のdocsを読み込み、個別にカスタマイズした独自の提案を持ち込むことでエコシステムの一員となり所属するオンチェーンエコシステムを可能な限り増加させましょう

win-winな関係となれるよう、双方のインセンティブをアラインさせることも非常に重要です。

流動性の健全性が低いとどうなるのか

あるべき姿を鑑みても、現在のオンチェーンの流動性の健全性は**危険なほど低い**ケースが多く見られます。

その結果、価格とLP値は市場の不利な出来事に過度にさらされています: スリッページが高いため、新規の支持者が減り、需要が鈍り、成長が妨げられます。同時に、売り手はより早く売るように促されます。これはアービトラージ取引によって、当然偽装可能なCEXへの流動性にも悪影響を及ぼします。初期投資家からの中規模な売り越しが1回でもあれば、トークン価格は暴落し、ホルダーやコミュニティを失望させ、デス・スパイラルを引き起こさないよう、流動性を健全に保つ必要性があると言えるでしょう。

流動性の健全性を改善することで、プロジェクトは価格の安定と上昇を促進し、同時にマイナスの影響に対してより強くなります。特に、初期~中期段階のプロジェクトは、外部から流動性を借り入れるのではなく流動性を所有(Protocol Owned Liquidity)している状態が望ましいです。これは、持続可能な方法(非排出依存)で流動性の健全性を向上させるための、堅実で良いスタートラインであると考えられます。

結論として強調しておきたいのは以下です。当たり前やん!って話ですが。

- 流動性プールをできるだけ**深く**保つこと(±2% depth)
- 流動性をできるだけ**集中**させておくこと(Concentrated Liquidity)

上記を同時に実現できるのがUniswapv3だったり、上記を将来より拡張できそうなのがUniswap v4だったりするわけですが、この辺はまたの機会に。


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