とにかくヤンキーに絡まれる人生FINAL
「ほら、行くぞ!」T駅に着くと、ゴリはまたKの胸ぐらを掴み、猛烈な勢いで電車から引きずり下ろそうとしていた。まるで綱引きの最終決戦で、体格の良い選手が全力で綱を引いているようだった。
心の中の悪魔が囁く。「Kはもう助からない。お前はまだ捕まってないんだから、T駅で降りる必要はないぞ。」天使も囁く。「これはKが招いたこと。責任を感じる必要はないわ。見捨てましょう。」
「ごめん、K!明日、朝一でお前の骨拾いに来るわ!」と言おうとした瞬間、Kが出入口の手すりにしがみつき、ゴリは電車から引きずり下ろすことに失敗。ゴリは捨て台詞を吐いて去っていった。「テメーらのツラ、覚えたからな!」
俺たちは席にヘロヘロと座り込む。「マジでやばかったなー!」Kが息をつく。俺は笑いながら答える。「つーか、婆さんと飯って何だよ!」
地元の駅に着いた頃には、緊張もすっかり解けていた。俺たちは自販機で細い缶のコカ・コーラを買い、乾杯した。それ以降、ゴリを見かけることはなかった。
―完―