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とにかくヤンキーに絡まられる人生パート1

今日は友人Kと電車に揺られ、50分ほどかけて買い物に出かけていた。俺たちはリサイクルショップで掘り出し物を見つけ、帰りの電車で早速スラムダンクの1巻を読み始めた。だが、ふとKの視線が気になり、そちらに目をやると――。

そこには、とんでもない存在感を放つ男が一人。普通に10人は座れるであろう長い座席を、一人で独占。身につけているのは、豪華なベロアのセットアップと、足元にはガッチリしたティンバーランドのブーツ。その体格は、まさにゴリラの如く。もしも「お洒落の合言葉は2XL、態度は4L」なんてルールがあったなら、この男こそがその体現者だ。

「どこがやねん…」Kにだけ聞こえるよう、小声でツッコミを入れて再びスラムダンクに目を戻した。その瞬間、何か不穏な気配を感じる。

「おい、オメーら今、俺のことなんか言ってたべ?」

スラムダンクのページ越しに、視界の端にベロアとティンバーがぼんやり映る――間違いなくゴリラ♂がこちらを睨んでいる。俺の心臓は、一瞬で湘北高校バスケ部の試合並みに高鳴る。俺たちは、果たして無事にこの状況を乗り切れるのか……?

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