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昔の夢にどのツラ下げて、僕らはどこへ向かうのか【tomorrow/MOROHA】
こんばんは。SIKAです。
小さい頃の将来の夢、覚えてますでしょうか。
学生時代の夢、なりたい自分、覚えていますでしょうか。
今の自分と比べてみて、どうでしょうか。
昔の自分に、今の自分は顔向けできますでしょうか。
毎朝早起きして、社会の歯車として働いて、家に帰ってそれを繰り返して。
ただ惰性で働き続ける。
今の自分は、昔の夢にどのツラ下げて、僕らはどこへ向かっているのでしょうか。
ヒップホップアーティスト、MOROHA の tomorrow を聴いて刺さった社会人の僕の考えと共に書ければと思います。
MOROHAと僕が、何かを頑張りたいあなたへ一歩を踏み出す勇気を与えられるような文章を書きます。
MOROHA とは
そもそもMOROHAとは、簡単に解説します。
ラッパーのアフロと、ギタリストのUKのヒップホップ・ロックバンドです。
UKのアコースティックギターを背景に、ラッパーのアフロがラップを乗せます。
アフロのラップは、ポエトリーリーディングのスタイルです。
簡単に言うと、詩を読んでいるような、喋っているようなスタイルです。
MOROHAの由来である「諸刃」は、自分も相手も傷つける刃です。
まさしく「諸刃」のように、聴いている僕たちの心もえぐられるような曲が魅力的です。
手短に、さっそく本題へ!
tomorrow / MOROHA
2016年リリース、「MOROHAⅢ」に収録されている一曲です。
小さい頃の将来の夢は?
小さい頃のあなたの夢は何でしょうか、
tomorrow の中の主人公は、野球選手が将来の夢です。
将来の夢はプロ野球選手
東京ドーム 巨人のエース
今は補欠 けどきっと上手くなる
出れない試合も 水汲み 声出し
遙かに 日差しより強い眼差し
理屈の前に 気持ちが溢れてる
曲の序盤、プロ野球選手が夢の少年が描かれます。
今は補欠でも、試合に出れなくてもプロ野球選手を夢見て、強い気持ちを持つ少年です。
プロ野球選手になれるか、なれないか、そんな理屈ではなく、「なりたい」そんな気持ちで溢れています。
皆さんにも、僕にもそんな時期があったのではないでしょうか。
理屈より先に、好きだから頑張る。
誰かに笑われるんじゃないかとか、自分には才能がないかもしれないとか疑うことなく、理屈抜きで夢に向かっていた時期があったのではないでしょうか。
気付けば大人になった
「あれからどれ位の日々が過ぎた?」
ここから、曲は次の段階へ移ります。
人生は旅だ そんなのは嘘だ
俺はどこにもいけないじゃないか
プロ野球選手を夢見ていた少年はどこへやら。
何者にもなれない自分と、その現実に打ちひしがれています。
僕らは、どうでしょうか。
僕らはどこかへ行けるのでしょうか。
どこへでも行けると、心から思えていますでしょうか。
流れるベルトコンベアの上で
日々を 滑らせ運んで行くよ
部品をつくる 部品になった
流れるベルトコンベアのように、毎日が淡々と進んでいきます。
ベルトコンベアは、ライン工をイメージさせるものかもしれません。
そんなラインの現場で、部品を作る部品になる自分。
社会の歯車、とよく言います。
全体のほんの一部の部品、その部品を作るために社会の部品になって働く、自分の小ささがあらわされているようです。
そんななか、
俺と同じ年のメジャーリーガー
海の向こうで初勝利上げた
主人公の将来の夢であった「野球選手」
僕は夢をいつの間にか諦め、社会の歯車になっています。
その一方で同じ年の誰かは、小さい頃の将来の夢を叶え、野球選手として活躍しています。
残酷な対比ですね。
まるで自分の事のように
街もテレビも大騒ぎしてる
過去の夢を、同じ年の誰かが叶えていても、だれも悔しいとは思わない。
そんな描写だと感じました。
社会の歯車になった僕は、僕自身の夢に嘘をつき、夢をみなかったことにして、夢を他人に託して、あたかも自分の事のように喜びます。
どのツラ下げて どこへ向かうの?
結果的には嘘つきじゃねぇの?
どのツラ下げて どこへ向かうの?
誰もが気付けば大人になった
自分の夢も忘れて、社会の歯車になっている自分。
そんな自分は、昔の自分の夢にどのツラ下げて、どこへ向かっているのでしょうか。
「誰もが気付けば大人になった」
ここでの大人は、子どもの頃の夢を忘れて現実に打ちひしがれる大人です。
自分に嘘をついて、夢を忘れて理屈を優先して、子ども心を忘れて大人になった僕です。
俺の叶わなかった夢を
誰かが今叶えてる
さらに現実は追い打ちをかけます。
同い年の野球選手がメジャーで初勝利を挙げたように。
自分の叶えられなかった夢も目標も、なんだって自分にはできなかったことを成し遂げている人がいます。
夢を持ったって、自分の叶えられなかった夢を叶える人はいる。
そんな結果の出ない努力に苦しみ、焦り。
そのツラ下げて、歩いて行けよ
この曲、現実はつらい、そんなことを伝えるためだけの曲ではありません。
小さい頃の将来の夢。
気付けば大人になって、夢を忘れて、毎日惰性で過ごして。
どのツラ下げて、どこへ向かっているのか。
それは、現実を惰性で過ごしている人への𠮟咤だと感じます。
今の僕は、夢を見ていたあの頃の僕へどのツラ下げて、顔向けできるでしょうか。
どこに向かっていると、胸を張って言えるでしょうか。
本当は一本道の迷路
散々迷って人は歩くよ
小さい頃に夢を見ていたことも、それを諦めたことも忘れたことも、夢に嘘をついて自分に嘘をついて、惰性で毎日生きていることも、全部一本道の上に乗っているのです。
そんな過去も全部背負って、一本しかない道を迷って歩くのです。
理由はなくとも足は出すよ
そうすりゃそれが理由になるもん
理由はなくとも足は出す、僕は過去の肯定だと解釈しました。
どのツラ下げて、どこへ向かっているかわからない僕でも、足を出したからこそ、今ここまで大人になってきているのです。
大人になることが良いことかわからなくても、足を出したからこそ今があるのです。
そしてこれから先、「そのツラ」下げて歩いていく。
過去を背負って、それでも歩いていくことをMOROHAは肯定しています。
「平凡な大人」「平凡な社会人」その過去を思い出させ激励しつつ、これからの一歩を応援してくれる曲であると感じています。
まとめ
将来の夢に希望を持っていたころの僕にどのツラ下げて、どこへ向かうか。
あの頃の僕には嘘をついているかもしれません。
それでも僕は、今からでも夢を持つことができますし、踏み出すことができます。
過去があるから今の位置にいる、それを肯定したうえで明日から行動を変えていくことができる。
明日からまた一歩踏み出していくことができる。
tomorrowには、そんな「明日」からまた一歩ずつ歩いていく「平凡」な僕らを肯定してくれる力があります。
明日からまた一歩を踏み出す僕らへの応援歌であるように感じました。
「最後は嘘にならないように」ひたすら努力したいと思います!
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