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キョーグルカズキと不思議なお爺さん

とある小さな村に住む元気な男の子、キョーグルカズキ。みんなは彼のことを山が大好きな男の子として認識しており、カズキくんと呼ばれ村のみんなにかわいがられていた。カズキは山登りが大好きで、休みの日は必ず山に登っていた。ある日、カズキはいつものように山に登っていると、不思議な老人に出会った。老人は、山道を歩くカズキを見つめ、にっこりと笑った。

カズキは老人の視線に気づき振り向いた。老人の不思議な雰囲気に惹かれ、話しかけた。

「おじいさん、こんにちは。何をしてるの?」

老人は、にこやかに答えた。

「私はこの山で修行をしているんだ。山は、私にとって大切な先生なんだ。」

カズキは老人の言葉に興味を持ち、もっと話を聞きたくなった。老人は、山から学ぶことや、自然と共存することの大切さを、カズキに教えてくれた。

カズキは、老人の話を聞きながら、自分の心の中に何かが芽生えているのを感じた。彼は山をもっと深く理解し、自然と共存する方法を学びたいと思った。

それからカズキは、老人に弟子入りすることを決めた。老人は、快く受け入れてくれた。カズキは老人のもとで厳しい修行を受けた。しかし、カズキは決して諦めなかった。

やがて、カズキは老人の教えを理解し、自然と共存する方法を身につけた。彼は山を愛し山と共に生きるようになった。

カズキは、大人になってからも、山登りを続けた。彼は、山で出会った不思議な老人のおかげで、たくましく成長することができた。成長することを見届けると、不思議な老人はいつの日かカズキの前から姿を消していた。
山にいたという痕跡も見つからなかった。

20年後。

大人になったカズキは山岳ガイドとして活躍していた。彼は、山を愛し、その魅力を多くの人に伝えたいという思いから、この仕事を選んだ。

カズキは、山での経験を活かし、安全で楽しい登山をサポートしていた。彼は初心者にも丁寧に指導し、山の魅力を伝えることに努めていた。

ある日、カズキは登山ツアーのガイドをしていた。参加者の中には、高齢の女性もいた。女性は山登りが初めてで、少なからず不安を抱えていた。

カズキはその不安を感じ取り、女性に寄り添い励まし続けた。
「大丈夫ですよ。私がついていますから。一緒に登りましょう。」
女性は、カズキの優しい言葉に勇気づけられ、一歩ずつ山頂を目指した。

ついに、女性は山頂に立った。彼女は達成感と喜びで満ち溢れていた。カズキは女性の笑顔を見て、嬉しく思った。

カズキは、山岳ガイドや登山ガイドなどの山を通した仕事をしたことで、多くの人と出会い、様々な経験をし、人々の笑顔や感動を見ることができた。それはカズキにとっても幸せなことだった。

カズキは、山と人とのつながりを大切にし、これからも山岳ガイドとして活躍してすることを誓った。

カズキは不思議な老人と出会ったときのことを思い出していた。
もしかしたら、あの老人は山の神様の遣いだったのかもしれない…と。
本当のことはわからないが、山を通して成長させてくれた老人と山の神に感謝の気持ちを込めて眠りについた。

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