トポロジーなサイトスワップ
トポロジーなサイトスワップ(真)
トポロジーなサイトスワップのルールは次のように実にシンプルである。
ルール
・節の数は偶数
・有向グラフ
・各節は次のどちらか「入る枝が2つで出る枝が1つ」「入る枝が1つで出る枝が2つ」
さて、本題に入る前に、トポロジーなサイトスワップが生まれた過程をちょっと紹介させてほしい。そうしないと、なぜこのようなルールに至ったのかが見えてこないからだ。
興味なければ飛ばしてもらっても構わない。
Void 蛇足(){
通常のサイトスワップは
1対多を扱う(人とそれ以外)
数直線上の整数値でイベントが発生
イベントは一度に一つ、またはゼロで、一つの場合はそのイベント内で
物体はキャッチされ即座にリリースされる
そこから派生した相互ジャグリングのサイトスワップは
多対多を扱う(お互いがお互いをジャグリングする)
数直線上の整数値でイベントが発生
イベントは一度に多数、またはゼロで、発生する場合はその
イベント内で物体はキャッチされ即座にリリースされる
トポロジーなサイトスワップは、相互ジャグリングのサイトスワップ
からイベントの同時派生を取り除こうという発想から生まれたもので、
多対多を扱うが全体で一つでもある
このサイトスワップでは多くの物体の相互作用を扱うが、個々の物体を
区別はしない。ある瞬間にxと(y)という2つ以下の物体が(衝突,分離)
し(しない)、片方がw時間後に、
(もう一方がZ時間後)に別の、あるいは同じなにかと衝突する(しない)。
次の瞬間にまた別の、あるいは同じxと(y)という2つ以下の物体が
衝突し…というのを繰り返す。
その(衝突.分離)と行先だけを表現する。
数直線上の実数値でイベントが発生。ただし、イベントと次のイベント
までの時間の長さのばらつきには意味がなく、実質整数値上で跳躍なく
イベントが発生する
たとえば0秒に衝突発生後、3秒後に次の(衝突,分離)が発生、その次が
0.1秒後でそのまた次が20秒後、であったとしてもイベント間の時間の
違いは無視されて、
すべて等間隔でイベントが発生しているのと同じ扱いになる。
また、例えば見かけ上2つの(衝突,分離)が同時に発生しているように
見えても、時間をどこまでも分割していけば片方の(衝突,分離)は1秒、
もう片方は1+10^-1000秒
に発生した、というように2つのイベントが順番に発生したことに
できるとする。そのためこの2つのイベントも他のイベントと同じ
ように扱い、等間隔で1つずつ
イベントが発生しているとみなす。
イベントは一度に一つ。というかイベント間の間隔は圧縮して無視し、
一見同時に見えるイベントは極限まで時間を分割すれば必ず異なる時間
に分割できるという前提があるため
単位時間ごとに必ずイベントは一つだけ発生することになる。
各イベントは「2つが結合して1つになる」「1つが分離して2つになる」
のどちらかである。
必ず2つ以下の物体の相互作用だけを考えるので3体問題は発生しない。
通常のサイトスワップと同様に、循環しない無限サイトスワップ列も
つくれ、理論上はビックバンから現在までの、
この宇宙で発生したすべての物体の衝突と結合を1つのサイトスワップ
列で表現できる
} //蛇足ここまで
では本題。もう一度ルールをおさらいする。
ルール
・節の数は偶数
・有向グラフ
・各節は次のどちらか「入る枝が2つで出る枝が1つ」「入る枝が1つで出る枝が2つ」
このルールのもとにグラフを書くと、例えば次のようなグラフが得られる。( )内の1つ目の数字がその節のアドレス、残りの1つ、または2つの数字がグラフの行き先となる。
この時、各節をアドレスの順番に並べると次のようになり、
(1,2,6)(2,4)(3,1,5)(4,6,3)(5,5)(6,2)
行先をサイトスワップに変換すると次のようになる
(1,5)(2)(2,4)(5,2)(6)(2)
次に各節を適当にシャッフルして並べ替えてみる
(2,4)(5,5)(1,2,6)(4,6,3)(3,1,5)(6,2)
これの行先をサイトスワップに変換すると次のようになる
(3)(6)(4,3)(2,1)(4,3)(1)
この2つのサイトスワップは見た目全く別になるが、グラフ自体は全く同じである。
つまり、トポロジー的には全く同じサイトスワップということになる。
このように、トポロジーなサイトスワップで描かれる世界は、時系列をどれだけぐちゃぐちゃに歪めようが、衝突と分離の行き先さえ変えなければ元のグラフは変化しない為、その相互作用は一つに定まるといえる。
通常のサイトスワップをトポロジーなサイトスワップで表すと
通常のサイトスワップをこの形式で表現するとどうなるのだろうか
例えば3(333)は有効グラフ
(1,2,6)(2,3)(3,4,2)(4,5)(5,6,4)(6,1)
から
(1,5)(1)(1,5)(1)(1,5)(1)
となる。
すべての節に1が入っており、これが人である。つまり通常のサイトスワップとはすべての節を一度ずつとおる環状の経路が存在する有向グラフであることが分かる。
ではこれを並び替えてみたらどうなるだろうか。
完全ランダムだとかえってわかりにくいので、キャッチとリリースを組みにしてシャッフルしてみると
(2,3)(3,4,2)(6,1)(1,2,6)(4,5)(5,6,4)
(1)(3,5)(1)(3,5)(1)(3,5)
となる。これをリアル空間で表現するとどうなるだろう。人の側は3つ飛ばし、物体の側は5つ飛ばしであるわけであるから、人は2、物体は3あれば成立する。つまり両手による3カスケードである。
つまり、片手333と両手333カスケードはトポロジー的には同じ技なのだ。
もっとシャッフルしてみると
(2,3)(4,5)(6,1)(3,4,2)(1,2,6)(5,6,4)
(3)(4)(2)(4,3)(2,4)(3,2)
これは3本の手でいったん全部キャッチしてから後半の2つを別の手に投げる、という技として成立し、これもまた333カスケードとトポロジー的には同じ技なのだ。
通常のサイトスワップは
・すべての節を1回ずつとおる環が存在する。
・かつその経路が順番に並んでいる
というトポロジーなサイトスワップの特殊な形であり、これをトポロジー変形すると腕が増えたり減ったりするジャグラーによるジャグリングになる。
というものなのだ。
そして一般のトポロジーなサイトスワップとは
・登場するすべての物体が増えたり減ったりする腕を持ち、
・互いが互いをジャグリングしあう様を表現するもので、
・単純化するためにマルチキャッチ・マルチスローを無くし、
・ルールを減らすためにキャッチとスローを分けた
・有向グラフをサイトスワップ列に変換したものである。
では、あなたのジャグリングにトポロジーあれ!
追記(2024/9/29)
トポロジーなサイトスワップの表記方法を変更しました。
旧
(1)(5,1)(1)(5,1)(1)(5,1)
新
1 5.1 1 5.1 1 5.1
理由は
・声に出して読みやすい
・書きやすい
・プログラムで処理しやすい
からです