こころをからだに繋ぐ呼吸法Bodywork 第1章III「超」現代的なひとり稽古 天遊と円天 2)足芯呼吸のバリエーション-全部で10数回の全身イメージ巡回- 3)円天-2呼吸で行う足芯呼吸
西野流呼吸法:こころをからだに繋ぐ呼吸法Bodywork 第1章
III 超現代的なひとり稽古 - 天遊と円天
2)足芯呼吸のバリエーション-全部で10数回の全身イメージ巡回-
以上で足の裏から、
身体の軸に沿って、あるいは脊椎神経の分布レベルを逆方向に進めて、
身体部位を次々にイメージし、
あるいはその身体部位意識(awareness)を移動して頭頂部、
さらに前額から身体の前面を下ろして丹田に納め、
その後イメージをさらに足の裏まで戻すと、一巡したことになる。
この最初に行う足芯呼吸は「天遊」という名前がついている。
開放的で爽やかな身体意識である。
西野流呼吸法基礎では約30分をかけ、この足芯呼吸のバリエーションを10数回繰り返す。
30分という時間は結構長い。習い始めて当初は、少し退屈に感じることも多々あるだろう。しかし、以下に述べるように、その一つ一つが身体の筋群のいろいろな部分に、イメージとともに働き掛けているのが、徐々に、文字通り「身体で」わかるようになる。
このイメージの流れにどっぷりつかっていると、冬でも汗ばんでくる。
足の裏はしっとりと汗をかき、足裏跡が床に残る。
西野流呼吸法の基礎は、全身で自分の身体を繰り返し再学習しているとも言える。
3)円天 -2呼吸で行う足芯呼吸
さらに稽古を進めよう。
足芯から再度イメージを上に揚げ、太ももの前で手のひらを上に向け、指を軽く組む。
組んだ手の平の高さがイメージの高さである。
足の付け根から丹田へ、丹田をイメージで一杯にしたら、骨盤内臓を後方へたどり肛門。
再度組んだ両手を上に持ち上げながら腰椎からみぞおちの奥へ。
ここからさらに胸椎をたどって肩甲骨の間へ進める。
両手はその辺で止めて、いよいよ手を離れてイメージだけが頸椎から、百会の頭頂部へ。
それを軽く意識して息をとめ、イメージを額の前面から胸の前を丹田まで降ろす。
ここからは身体の前で両手の親指を下にして組んで、手のひらを前方に向けて押し開きながら、呼気とともに腰を降ろしてゆく。
(西野流呼吸法「円天」、リンク https://www.youtube.com/watch?v=ntgQt9L2zDE)
姿勢は前傾せずに真っ直ぐに立てて、
踵は浮かさず、アキレス腱は伸展する。
そして呼気とともにイメージを脚に沿って下げてゆき、足芯、足の裏へ戻す。
再びゆっくりと立ち上がりながら足芯から息を吸い上げて行く。
組んだ両手の手掌は前方へ向けたまま、膝、太もも、足の付け根、丹田。
さらに後方へたどって肛門。
仙骨から腰椎、みぞおちから胸椎、両手はイメージの高さに合わせてあげてゆく。
肩甲骨の間、その上の頸椎。後頭部から百会(頭頂)へ。
両手の指は組んだまま頭の上で止どめ、イメージは身体の前面を下って、丹田に納まる。
この丹田感覚のまま、息を吐きながらゆったりと両手を左右に開いてゆく。
ここでのイメージのポイントは両手のひらの感覚を感じ取ることである。
「手のひらの向こうの空気を撫でる」
これも超現代的でないか(エピソード(14)「超現代的という意味」、リンク https://note.com/deepbody_nukiwat/n/n639c282c69ce)
要するに、ガス交換目的の呼吸法でなく、呼吸意識で身体全体の知覚に働きかける!
これはあるいは東洋系Bodyworkに共通する身体感覚か?
両方の手の指は組んだ状態から左右に開くので、手首は立てている。
そうすると掌の向こうの空気を今までは気づかなかったセンサーが感取する感覚がある。
手首は立てたまま、空気をなでおろしていく。
最後には、手首を戻しながら、イメージは足の裏に戻って行く。
以上が「円天」という足芯呼吸である。
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