日本でポッドキャストは本当に流行るのか?
年末年始もラジオばっかり聞いていたラジオ馬鹿の私だが、ある番組で来年はポッドキャストが流行るのでは?と言う予想をしていた。もちろん来年の予測など当たるかどうかは分からない。しかし、海外(特にアメリカ)ではポッドキャストが流行っていたので予想としては理解できる。だが、最近になってポッドキャストをよく聞くようになった私から見ると、兆候はなくもないがまだ難しいかなぁ〜と思ってしまう。
これまでの日本語ポッドキャストの傾向
従来の日本語のポッドキャストは大きく二つに分類できる。
1. ラジオ局が作るラジオ番組やその派生番組のポッドキャスト化
2. 素人が作る駄話的なポッドキャスト
実は、今でもこの傾向はそれほど変わっていない。やはりラジオ局の作るポッドキャストの方が質が高く、素人のポッドキャストも色んなゲストを呼んだりとがんばっているものも多いが、構成の甘いダラダラとしたおしゃべりが続くだけのものも多く、一部に強烈なファンはつくかもしれないが、聞きづらさがどうしても拭えなかったりする。
それに比べれば、ラジオ局制作のポッドキャストは質が高く面白いものも多いが、公開されるポッドキャスト数は私の印象では特に大きく増えている感じはしない。実は、TBSラジオがポッドキャスト配信を辞めてクラウド化した時の理由はその原因を見事に反映している。
日本でポッドキャストが広まらない理由
つまり、ポッドキャストを聞いた人が元のラジオ番組を聞くわけではないのだ。スポンサーCMで資金を得ているラジオ局にとってこれは痛手だ。でも考えて見れば、ポッドキャスト単独で楽しめるなら、オリジナルのラジオ番組をわざわざ聞く必然性はない。逆に派生番組のポッドキャストの場合は、聞こうとするのは主に元のラジオ番組のリスナーばかりのはずだ。ポッドキャストが元のラジオ番組を聞く動機にならないので、ラジオ局側はポッドキャストを配信する手間と費用がかかるだけで、ビジネスとして成立していない。
日本語ポッドキャストに元からあったこうした特徴は、今でも大きくは変わっていない。私が日本でポッドキャストがまだ流行りそうにないと思うのは主に上の理由だが、日本語ポッドキャストに新たな傾向は生まれつつある。
なぜ海外でポッドキャストが流行りえたのか?
海外でポッドキャストが流行った本当の原因は私にはよく分からない。そこは事情に詳しい人に聞いてもらうしかない、だが、海外のポッドキャストに見られるのと同じ傾向の日本語ポッドキャストも少しずつ増えつつあるような気はする。
1. 素人の制作でも構成のしっかりした聞きやすいポッドキャストが増えつつある
2. ポッドキャスト自体にスポンサーを付けてポッドキャスト単体でビジネスとして成立している
1つ目については、いい加減にポッドキャストが生まれてから長く経つので成熟したとも捉えられるかもしれない。でも、たとえ芸人やモデルなどの芸能人が出演してる日本語ポッドキャストでも、ダラダラと喋っているだけの聞きづらいものはまだ多い。その点では、日本ではまだポッドキャストはプライベートなおしゃべりの公開の域をなかなか超えられていないような気もする。
その中で、日本語ポッドキャストでもスポンサー付きのポッドキャストが出てきているのは、真に新しい傾向と言える。しかも、ラジオ局制作か素人による制作かの違いに関係なくスポンサーが付き始めてるのは良い兆候だ。
日本のポッドキャストに未来はあるのか?
同じくインターネットでも、動画では無料であれ有料や定額であれビジネスモデルとして成立している。しかし、音声データではビジネスモデルがまだうまく成立していないところがある。日本ではビジネスモデルのような仕組みや制度が甘く見られがちだが、そうした地盤が成立していないと、制作するものの質も保てないし長続きもしない。
そもそも、動画の場合は海外のプラットフォームに頼っているだけなので、日本は特には貢献してない。せめて、音声ぐらいは日本がビジネスモデルを自分で成立させられればいいのに…と思う。