⑦お金に縛られ、時間に追われ!
吾輩はカラス。
今日は福岡の空を飛んでいると様々な『人間』を見かけた。
『人間』はいつも忙しそうや。
朝から晩まで働いて、お金を稼ぐ。
でも、お金を手に入れても今度は時間がなくなる。
時間があっても、お金がない。
どっちも大切なのに、どっちかしか選べない。
そんなジレンマを抱えて生きているように見えた。
吾輩たちカラスには、そんな悩みはない。
お腹が減ればゴミ捨て場を漁るし、食べられないときはただ空を飛ぶ。
それだけのシンプルな生き方だ。
しかしながら、『人間』はそうはいかないらしい。
『人間』の作った資本主義社会において、何をするにもお金がいるみたい。
ご飯を食べるのも、屋根の下で寝るのも、どこかへ行くのも、全部。
吾輩からみれば、不思議すぎる。
特に不思議なのは、お金を手に入れても満足しないことだ。
もっと稼がなきゃ、もっと貯めなきゃ、と焦る。
そうして働き続けて、気づけば時間がなくなっている。
時間がないから、本当にやりたいこともできない。
吾輩が見てきた人間たちの中には、お金があっても疲れ果てて、自由を感じられない者も大勢いる。
逆に時間はあってもお金がない者もいる。
夢を追いかけたり、好きなことに没頭したりしているが、
お金がないから苦労する。
食べられない、寝る場所がない、先の不安に押しつぶされる。
そしてため息をつく。
結局、どっちに転んでも不満を抱き、満たされていない。
じゃあ、どうしたらいい?
吾輩が思うに、当たり前の事かもしれないが、大事なのはバランス。
お金がほしいのも当然だが、時間を犠牲にしすぎると、なんのために生きているのか分からなくなる。
逆に時間があるなら、それをどう使うかを考えなければならない。
好きなことに熱中するのは良い選択肢だと思う。
お金のために働くのも良いが、熱中できることを仕事にできれば、
1番いいんじゃないか?
そんなことを考えていたら、公園でパンをちぎるおばあさんと目が合った。
「お前も大変だろうけど、食べていくんだよ」
そういってパンを投げてくれた。
なぜなのだろう。
『人間』はおかしなルールで生きてるくせに、時々こうして優しくなる。
吾輩はそのパンをかじり、いつもより羽を広げて高く飛んだ。
もしかしたら、
お金でも時間でもない、こういう瞬間が『人間』たちの世界を温かくしているのかもしれないな。
『人間』たち、今日も良い1日になるといいな!