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【旅エッセイ】空港へ向かう列車のJJ

コペンハーゲン空港へ向かう列車の中で
大きなスーツケースが座席の間に入らず
通路にはみ出したまま、すわっていた。

チケットのチェックに来る乗務員が
私のいる車両へやってきた。
きょうは厳しそうな女性。

車両内はガラガラだったが
「あなた、この荷物を抱えなさい。
もう一人すわれるでしょう」
と乗務員の女性(これより=JJとします)の
取締りが始まった。

JJは案の定、私のところにもやってきて
「あなたスーツケースを席に入れなさい」
デンマーク語で語気強めにいう。
「いや、入らなくて…」
とジェスチャーで返す私。

「じゃあ、ドアの横に置きなさいよ」

いわれてすぐに、ドア横に置きにいったが
置いたまま席に戻るわけにもいかず
過ぎ去ったJJを見送り
再びスーツケースごと元の座席に戻った。

すると、JJが戻ってきた。
そして、またも叱られる私。

しょんぼりして、ドア横に立っていると
JJ、今度はドア横の簡易イスにすわって
サンドウィッチをほおばるファミリーを叱り始めた。

「あなたたち、荷物がないなら
あっちの席にすわりなさいよ、ほら立って!」

ファミリーはサンドイッチを持って
素直に従う。

そして、空いた席を指し、
「あなた、ここにすわるのよ」
と私をすわらせ
JJは、次の車両を正しにいきました。

ありがとう、JJ。

ガラガラの車内だからって
ゆるい雰囲気の海外だからって
デンマーク語がまったくわからないからって
車内マナーは乗客みんなのために
守るべき、と改めて感じることができました。

でもJJ、チケットのチェックは...。



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