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詩『lilyrics』

機嫌取りのような絵文字は要らない
指先の乱舞を止めきれない舌打ち
嵩張る光は夜を滑らかに磨いて
新しい言葉や価値を探している。

尻尾振るだけの生温い劇場の隅で
座席表が左右反対とは気づかないさ
雨が降れば水滴が落ちてくると言うが
世界は端から湿り気を帯びている。

救難信号を後回しにして眠ろう
実を言うと愛は不条理の祖先なんだ
貴方が完膚なきまでに壊した私を
粘土細工みたいにやり直していたい。

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