詩『bi-verse』
時間を憎悪する癖は
恒星系出身者特有のものだよね
桃の果皮を剥くひとときに
ふたつの世界が挨拶している。
夏風邪を患う記憶の雪崩を
落雷の焦げ跡と言って誤魔化した、
きっと報われることがないから
理不尽なほど純粋に愛せるのかな。
未回収粗雑品の地雷だからさ
踏んだだけで爆散しても赦してね
砂時計ほど魅力的な計り方が
万有引力から脱出できないなんて。
約束の場所を忘れても朝焼けが訪れる
その方向が目印だとか誰か言っていたな
普遍的なら構わないけど此の星が
貴方の星と同じとは限らないからね。
夕闇が包む団地の前の交差点で
ごめんねを呟かれる身にもなってほしいよ
嫌いになる理由を探していたのに
双六の目が同様に確からしくないせいで。
桃の果皮を剥くひとときに
ふたつの世界が挨拶をしている。
貴方の星から視える朝焼けの色を
言葉にしてから眠りに就いて。
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