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詩『綺麗』

群がる廿日鼠  ぴんと伸ばした背筋
楽園へと続く手すり 掴んだも黄泉竃喰ひ
このまま散りゆくさだめ  きらめきを放つ鋼
夕暮れを染める茜が  浮かぶ頬を拭う手
重ね重ね細雪が降り頻る街で
「またね」嘗て別れ浮き輪に縋っていた闇で
どうかしている同化している不可思議な現状
硬化している降下していく嘘つきな喧騒
誰もが愛されたい放題を望む
彼もが明日など要らないと謳う
色彩が屈折する東向きの玻璃と
鋭角に切り取った懐中時計の針を
言葉遊びの種にして月が綺麗ですね。

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