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詩『parole』

双子みたいだと貴方は言うけど
脳内の辞書から構造が違うんだよ。
異星語さながらの解釈困難な文章で
噛み合うことなどない歯車を回す。

荒波を照らす稲妻のように産まれて
道端に落ちた吸殻みたいに死ぬだけなのに
選択の余地があるかの如く藻掻いている。

感覚器官を共有できたらと
簡単に初期設定を変更できたらと
愛情のないものねだりじゃ
魂に蔓延る水垢は漂白できそうにない。

双子なんかじゃないと私は言うけど
胎盤の縁で繋がり合っていたかっただけ
同じ数字で重なり合っていたいだけ。

私が目醒めていないときの貴方を知りたい
貴方が眠っているときの私を教えたい。

言葉尽くしても解り合えないから
満足できそうにないから紡いできたんだよ
異星語さながらの解釈困難な文章でも
私が貴方のために選んだ言葉なんだよ。

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