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われおもう

私は未婚シングルで、娘がお腹にいるときに父親とは別れた。

以来、「なぜ彼は私を選ばなかったのだろう」「どこがいけなかったのかしら」なんて考えることも、反省することもなく、のほほーんと生きてきてしまったのだけど、昨日「もしや」とハタと胸に手を当てて考えてしまった。


中3の娘は、一度も会ったことのない父親に性格がそっくり。


二人とも人一倍、空気を読むし、輪を乱すことを好まないので誰にでも優しい。落ち着いた雰囲気で基本ニコニコしている。

両者の違いと言えば、娘父は私にもいつも穏やかで機嫌の良い人だったのに対し、娘は私には手厳しいところ。


まぁこの娘のうるさいこと、うるさいこと。

昨日、娘の服を買いに行ったら、やれ「そんなよそ見して歩いていると誰かにぶつかる」だとか「キョロキョロするな」だとか。


「いちいちうるさいわねぇ、よそ様にぶつかった事なんてないわよ」と文句を言うと「それは相手が気を付けてくれているからだ」と。


人の歩き方まで気になるようじゃ人生楽しくなかろう、と言ったら、ママじゃなければ気にならないから平気、あなたが一番、どうしようもないなどと生意気なことをいう。

そのセリフに、ふと思った。

何度も言っちゃうけれど、とにかく娘と父親は性格がそっくりなのだ。

 
この私に対する批判的な部分だけが似てないなんて、そんな都合の良いことがあるだろうか?



そうか。16年たってやっと彼の真意が分かった気がするぞ。良かった結婚しなくて。危うく人ひとり、不幸にしてしまうところだったわ、などと改めておもった次第。





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