シングルマザーの家計管理①
昨年、50歳を目前にビンボーFIREをした。34歳で全財産が200万円だったこと&収入は決して多くなかったことをおもうと、なかなか巻き返した気がする。
未婚の母になると決めたとき、まず第一にしたことはグタグタなお財布状況を整え直すことだった。
当時、どうしたら経済的に楽になるかと不動産投資の本とかを読んでいたけれど、偶然手にした木村剛さんの「投資戦略の発想法」という本にいたく感銘を受けた。
曰く、あなたの最大の資産は仕事だ。ビンボー人は投資なんてしている場合じゃない。何はともあれ仕事を頑張って、2年間働かなくても生きていけるだけの生活防衛費を貯めよ、という明快なご主張に「仰る通りです」と。
①しっかり働いて
②家計の無駄を省いて
③税金の制度を理解して
④生活防衛費を貯める
⑤④が貯まったら、投資にシフト
この5つを愚直にやっていたら、8年目くらいになんか余裕がでてきたなと感じるようになり、10年目くらいからは毎年、年収よりも多く資産が増えていった。雪だるまの芯を作るまでは大変だけど、一旦、芯ができたらあとは楽であるというのは、私の場合は真実だった。
どれもお財布事情改善に貢献してくれたが、特に大きかったのが、①③⑤のような気がする。
①は会社で一定の資格を取ると資格取得手当がもらえたので、業務に関係する資格を3つほど取った。報奨金自体はせいぜいが1回2万円程度だったけれど職務のランクが上がって、年収が数百万円アップした。
③に関して、私はいわゆる母子家庭手当ての対象外で、保育園料の安い都内在住ではなかったので、保育園代がエライ高かった。(一日預かってくださっていることを考えると、こんな保育料で申し訳ないとは思うけれど)
応益負担というのは、中間所得層が一番、負担感が大きい気がする。
あるとき双子の弟の国民年金を2年分払った。スナフキンな弟がふらりと海外に行ったまま帰って来なくて、届いた督促状が見過ごせなかったのだ。仕方ない、とりあえず立て替えておくか、と。
翌年、保育園代が下がったのでなんでだろう?と思ったら、弟の年金でも払ったのは私だったので、社会保険料控除が適用されていた。そういえば年末調整でなんか提出したな、と。
地方税も健康保険料もすべて負担が減っていた。
これは面白いと思って、ほかにも合法的に税金を減らせる方法はないかと調べて、まだiDeCoと呼ばれる前の確定拠出年金に加入したら、翌年また税金や保育園料が下がった。
控除を受けたお蔭で浮いたのは、たいした額ではないけれど、無知って自分が損するってことなんだなと実感したのは大きかった。何より、この浮いた1万円2万円がidecoの資金となった。
⑤の投資に関しては、正確に言うと20代前半からやっていた。だけどちょっと上がったら嬉しくて売っちゃってたので、儲けられなかった。売らずに持っていたら今頃、都内に新築マンションがキャッシュで買えただろう。センスのないことこの上無しである。
あるとき、若い頃から株を買ってずーっとホールドしていたアメリカ人の女性が、莫大な資産を市に寄付したというような記事を読んだ。仕事は家政婦さんだった気がする。薄給の中で株を買い続けて、何億ものお金を寄付したという話だった。
生活防衛費が貯まったあと、この女性を真似してみようと思った。どうせ投資センスは皆無である。だったら、何も考えずに一度買ったら持ち続けようと。
ただ、働いていると個別株を研究している暇はない。だから、アメリカ経済と世界経済に連動している投資信託を2銘柄選んで(いわゆるS&P500とオルカン)、証券口座から毎日一定額、自動的に購入されるように設定して、放っておいた。
コロナでガクンと下がったけれど、気にせず買い続けた。というかこんなに下がっているならと、生活防衛費以外の預金を全て購入資金に回した。
結局、この毎日一定額を購入して放っておく&下がったときに多めに購入するというのが、四半世紀の投資人生で一番というか、唯一まとまった利益を出してくれた。
30代も半ばになるまで、お金のことを真面目に考えたことはなかった。両親は「子どもがお金の話をしないの」と、家庭内でお金のことを話題にするのを嫌がったし。でも、もっと早くから意識しておけばよかったな、と思うのである。