左右盲 夢はドライバー
私はいわゆる左右盲というやつで、とっさには右と左がわからない。
たいてい人は私が左右盲とわかると、「お箸を持つ方が右」と言ってくれるけれど、そんなことは100も承知だけどダメなのだ。たぶん、右と左を認識する脳細胞が欠落しているんだとおもう
「お箸を持つ方」は効果がないけれど、小学校の黒板を思い浮かべるとわかる。小1の担任の先生が黒板に「右手」「左手」と左右に手形を貼ってくれていたのだ。(クボ先生ありがとう)
この左右盲。一番困るのがカーナビの音声。
「300m先 斜め右方向に~」と言われても、「右ね、了解。ミギ、ミギ、ミギってどっちだ?」となってしまう。
娘が小さい頃は、カーナビが「右」というと可愛く体を右側に傾けて「こっちだよ」とやってくれたので一発でわかったのだけど、15歳にもなるといくら異国の地でハハが困っていようとも我関せず。
お蔭で最近のケンカは常に車の中。「ママだって左右逆の国で一生懸命運転してるんだから、ヒトゴトだと思っていないで体傾けるとか協力しなさいよ!!」「独り言言ってるのかと思ったんでしょ」とかなんとか。どうせ左右がわからないから、左ハンドルだろうが右ハンドルだろうがあんまり関係ないのだけど…。
実は昔から一度やってみたい職業の筆頭がタクシードライバーなのだけど、この左右盲のせいで諦めている。
タクシードライバーといえば、まだ25歳くらいのとき、大好きなタナカ君と結婚できるか悩んでいた同期のユキちゃんが、何を考えたのか深夜帰宅の際に乗せてくれたタクシーの運転手さんに泣きながら相談。運転手さんもいい人で夜中の2時過ぎだというのにユキちゃんの自宅前でメーターを切って、親身に相談に乗ってくれたという。
翌日ユキちゃんは「いやぁ、スズメがちゅんちゅん鳴きだして、朝だと気づいたよ。どこの占い師さんよりすごい運転手さんだったわ」と感激していた。(運転手さんのアドバイスに従った彼女は2年後に無事にタナカユキコとなって、今では立派にタナカ君を尻に敷いている)
この間、乗せてもらったUberの運転手さんは女性で、「ドアの下のスペースに水とスイーツを入れてあるからよかったらどうぞ」なんていう。いいなぁ、こういうの。
私も日本に帰ったら、Uberの運転手さんになって自宅近所で外国人をおもてなししてみたいかも。な~んて。