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シングルマザーの家計管理②

未婚シングルになると決めたとき、一番最初にしたのが経済基盤を整えることだった。浪費がたたって30代も半ばだというのに、全財産が200万円しかなかったから。

当時は大きなお腹を抱えて生命保険や学資保険のパンフレットばかり読んでいた。頭の中は、自分に万が一のことがあった場合、子どもが成人できるまでの道筋をどうつけるかでいっぱい。胎教に悪いことこの上無しである。

通勤電車で、隣り合わせた妊婦さんがたまひよを読んでいて、私は保険の約款に目を通していた。敗北感が凄まじかった。次生まれ変わったら私も絶対にたまひよを読む妊婦になるぞと心に誓った。

とりあえず、自分がマストで準備しないといけないとおもえたのは下記の4つだった。

①働かなくても2年間生活できるだけの生活防衛費
②生命保険
③子どもの学資
④自分の老後資金

①は、最優先で粛々と給料天引きで決めた額まで貯金した。給与天引きは素晴らしい。ちょっとキツイなという額を無理してでも天引きしてしまえば、ないものはないので、工夫して生活するようになると身をもって実感した。

②生命保険について
自分に万が一のことがあった場合、娘が22歳になるまでに約8000万円が必要と考えた。

  • 大学の学費1500万円

  • 18歳までの生活費15万円×12か月×18年=3240万円

  • 18歳から22歳までの生活費20万円×12か月×4年=960万円

  • 18歳まで育ててくれる人(義姉を想定)への謝礼10万×12か月×18年=2160万円

兄夫婦とは、お互いに自分たちに何かがあれば子どもを引き取るという約束をしていた。兄は子ども好きで「金なんて要らん」というタイプだけど、実際に面倒を見てくれるのは義姉だろうから、わずかでも謝礼があった方がよいかなと思って保険で準備することにした。

このうち公的補助などで、カバーされる額は以下の通り。

  • 勤務先からの遺族お見舞金 死亡時1000万円

  • 遺族基礎年金79万5000円×18年=1431万円

おそらく、下記ももらえると思ったものの、ネットでは細かい条件が検索しきれず、あればラッキーだけど、ないものと想定して準備を進めた。

  • 遺族厚生年金(これは対象のはずだが、計算方法がわからず)

  • 養育里親の委託費(親族でも受給対象。ただ、遺族年金との併給が可なのか、生命保険で子どもがある程度のお金を持っていても対象になるのかがわからなかった)

  • 児童手当5000円~1万円(これは育ててくれる人=兄の年収に左右されるのかがわからなかったので、ないものとしておいた)

  • 娘の父親からの養育費(私亡き後、家族が請求するとはおもえず…)

  そんなこんなで、8000万-1000万ー1431万=5569万円
  5500万円を保険でカバーすることにした。

このうち2000万円は③の学資用の貯蓄型の保険でカバー。残りの3500万円を掛け捨ての生命保険で準備した。掛け捨ての保険は職場の団体保険含めて3種類加入し、受け取り人は母・兄・弟の3つのパターンを用意した。

職場の団体保険が一番条件が良かったが、万が一、失業した場合に、生命保険も収入も両方失ってしまうことになるので、全振りはせずに民間の保険にも入った。

娘の成長と自分の資産が安定するにしたがって、掛け捨ての保険は数を減らしていき、今は退職金のない働き方をしている弟の老後の足しにと一つ残しているのみである。

③子どもの学費
高校までの学費は毎月の給料から支払い、大学だけ保険で1500万円を用意することにした。投資の方がいいとは思ったが、シングルなので死亡したとしても確実に学資が用意できるように、保険を利用した。ただ、商品選びの際は、満期の解約金が元本割れしないことは必須とした。

こちらも、途中でまとまったお金が必要になったときに解約しやすいように3つの商品に分散させた。

最初に加入したのが、生命保険の代わりにもなる低解約返戻金型終身保険という商品だ。毎年54万円を15年間、計810万円支払って子どもが18歳になったときに解約すると930万円になるという商品を選んだ。死亡保障は1500万円。満期になっても解約しなければ年1.5%の利率で増えていく。

次に加入したのは、10歳払い済み可の学資保険で、こちらは妊娠中に加入できる最大額180万円で契約した。15万円×10年=150万円払って、17歳時点で180万円になるというものだった。

10歳払い済みとしたのは、教育費の負担が大きくなる前に払い終えてしまいたかったから。また17年間など長期間払い込む契約にしてしまうと、インフレが起きても、途中解約は元本割れするので他の商品に動かしづらいだろうから、不利かなと思った。

最後に加入したのが、アメリカの株式市場に変動して保険の受取額が変わるという商品。シンプルに投資した方がいいのはわかっていたが、当時はとにかく生活防衛費を貯めなきゃと考えていて、投資までする余裕がなかったので、一つくらいこういうのがあってもいいかなと。こちらは、もう保険は無くても大丈夫かなと思った5、6年前にちょうど黒字だったので解約し、コロナの暴落時に投資の資金に回した。

いずれの保険も月払いではなくて、ちょっとだけ支払額がお得になる年払いを利用した。

保険は資産が少ない時にこそ威力を発揮してくれるお守りと言われるがその通りとおもう。

老後資金について

老後資金は生活防衛費が貯まってからと考えていたが、途中で税控除を受けるために確定拠出年金に加入。その後、NISAが始まったときに投資信託の積立を始めた。

年収が上がっても生活のレベルは変えずに、増えた給料は最初からなかったものとして、証券口座で投資信託を積立て続けた。

確定拠出年金は加入できる人は最優先で入った方がよいとおもう。収入から全額控除されるので、住民税や保育園料、健康保険料などすべての負担が下がるから。ただ厚生年金の保険料も下がるので、将来受け取る年金額も減る。しかし、ほとんどの人が住民税などの軽減>年金額の減額のはずである。


上記はデフレ下の2009年に当時の状況で採った方針なので、今から未婚でママになる人には参考にならないかもしれない。

当時、有料で2人のファイナンシャルプランナーに相談に行き、本も読んで、一番自分が納得したものを選択したが、インフレ傾向の今はきっともっと別の良い方法があるだろう。

私も今ならば貯蓄型の保険は利用せず全額掛け捨てを選び、浮いた掛け金で投資をするとおもうし、インフレを見越して生保は1億円くらい用意する。そして生活防衛費を貯める期間は倍に延ばして早くからNISAとiDeCoを利用するだろう。

何が正解はわからないけれど、わからないなりにシングルマザーは早めに方針を決めて粛々と実行していくことが大事な気がしている。














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