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謎の暦『ウク暦』 複雑なバリの暦の話し その2

その1で7曜週✖︎30週=210日がひとサイクルと説明しましたが、30週のそれぞれ、例えば1週目はSinta(シンタ)、30週目はWatugunung(ワトゥグヌン)というふうに名前がついており、それをWuku(ウク)と言います。

210日サイクルの最後の日、Wuku Watugunungの土曜日(Saniscara)は芸術と知識の女神Saraswati(サラスワティ)に感謝を捧げ知識、知恵を授けて頂く事を祈る日になっており、そしてウク暦の最後の日になります。

明けて新しいサイクルが始まるSintaの1日目はBanyu Pinaruh(バニュピナロ)という祭日で授かった知識、知恵を深く浸透させるため早朝に川や海へ行き沐浴をして心身の穢れを祓います。
翌日、月曜日はSoma Ribek(ソモ・リバッ)という稲の女神に感謝しその恩恵があるよう祈ります。
Somaは月曜日にあたります。
火曜日(Anggara)は金銀、財宝の恩恵をMahaDewa(マハデワ 方位神の1人で西を守る神)に感謝するSabuk Mas(サブッ・マス)
水曜日(Buda)はPagerwesi(パガルウェシ)という簡単にいうと世界平和を祈る日です。
(この説明だけでひと記事かけるのでまたいずれ)
と5日連続で祭日が続き、この後も鉄製品に感謝するTumpek Landep(トゥンプッ・ランダップ) 、迎え盆のGalungan(ガルンガン) 送り盆のKuningan(クニンガン)と210日の中で全バリ人に関わる大きな祭日が17日あり、それ以外に居住する地域の寺院や一族の起源に関わる寺院やら屋敷寺やらの創立祭があります。

サカ暦の祭日ももちろんあります。
サカ暦とウク暦には何の関連もないので双方の祭日が重なる事もあり、供物は目的により内容が違うので2種類作る必要があり、そうなると不眠不休で供物を作り1日を儀式に費やしたりもします。
コロナを機にだんだんと簡素化されたり、自宅で供物を作らず買ったりなど昔ほど供物作りで忙しいという事はなくなってはいますが、それでも供物を買いに行く、供える、供えた供物を下げる、片付けるなどやるべき事は多岐に渡り楽になったとは言い難いように思います。

その殆どは女性によって成されており、どんなに仕事が多忙でもやり遂げるバリの女性の強さに毎度毎度、感銘を受けています。


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