We Love "Spaghetti Disco" : DJ SHIKISAI X DJ PIGEON : イタロディスコ対談
*** DJ SHIKISAI & DJ Pigeon - Spaghetti Promo Mix
6/1(Mon)発売 "Spaghetti Dancer EP" より2人の楽曲を使用した完全イタロ使用プロモーションミックス。(前半がDJ SHIKISAI、後半がDJ Pigeon)
青山TUNNELや新宿HEARTなどでレギュラーでプレイをしているDJ SHIKISAIと渋谷近辺でDJをしているDJ PIGEON。スパゲッティサウンドこと、イタロディスコ好きという共通点から、現行・擬似イタロをお互い製作し、スプリットEP"Spaghetti Dancer EP"をDiesel Disco Clubから発表いたします。
何故、今、イタロなのか!? EP発売にあわせて製作した、スペシャルDJ MIXの内容や、お互いの影響を受けたイタロなどに触れながら、詳しく対談をしました!
DJ SHIKISAI :
実は僕らって、実際会ったことないんですよね 笑
PIGEON :
ツイッターで、SHIKISAIさんから、私が和モノのRE-EDITを作って投稿した時にはじめて話しかけていただいて…、あの、森高千里の… (※ 時々、DJ TOOL用の和モノリエディットなどを作るたびにツイッターで呟いています。)
DJ SHIKISAI :
あれ?森高千里でしたっけ?ビリージーンのカバーのエディットもありましたよね
PIGEON :
麻倉未稀の!
DJ SHIKISAI :
あ、そうだ!麻倉未稀の。あれがRTで回ってきて確かDMかリプライ送ったような…。
PIGEON :
実は、私はなんとなく渋谷界隈でDJ SHIKISAIさんの名前は知っていました。普段は青山TUNNELでDJをされているんですか?
DJ SHIKISAI :
そうですそうです青山Tunnelとか、あとは新宿のHeartがレジデントとして入ってますね! コロナでお休み中ですが…
PIGEON :
いまはどこも休みですからね。。青山の箱では普段どのようなジャンルを流されているんですか? あの箱は、すごく選曲に厳しいと聞いたことがあります。
DJ SHIKISAI :
青山Tunnelは基本HouseからDisco中心なんですけど、早い時間はチルな感じですね。後は終了間際は映画のサントラとか、ノンビートで終わったり。
特に金曜日のMax Essaとのタッグの時はそんな感じになりますね。
確かにレジデントはかなり厳選されてますね。なかなかいきなりDJやりたくても出来ないかもですね。僕もDJやるまでかなり通いましたから 笑
PIGEON :
Max Essa、、! 大好きです。私、よくDJでもかけています。
私もDJは渋谷が多く、蜂やOATHでもさせていただいた事もありましたが、
音楽性も若干近いのに今まで交わらなかったのは不思議ですね。笑
DJ SHIKISAI :
Max Essaは本当20歳位違うのに、DJの時の波長が本当に合うんですよね。確かに!御一緒したこと無かったですよね 笑
DJ SHIKISAI :
さて、早速本題に入りますが、今回 "Italo Disco" をテーマにお互い1曲製作となりましたが
PIGEON : スパゲティ・サウンド!
DJ SHIKISAI :
まさに 笑
"Spaghetti Dancer EP" という事で、今回Diesel Disco Clubレーベル3作目となりまして。これもどういう経緯でしたっけ笑
PIGEON :
ツイッターでSHIKISAIさんが突然イタロディスコについて語り出していたのを見て…
私も高校の頃、そのあたりをめちゃくちゃきいていたのを思い出して、
懐かしく聴いてツイートしていたのをSHIKISAIさんに目撃されたのがきっかけでしたね。笑
DJ SHIKISAI :
あー、そうでした 笑
今回の曲のアレンジ材料を捻り出すために1週間60時間くらいイタロディスコを聴いてたんですよ。 80~86年くらいまでのやつ。笑
PIGEON :
異常ですね。笑
ご自身のレコードコレクションもイタロは多いんですか?
DJ SHIKISAI :
いや全く。笑
DiscoとHouseを幅広く買ってますね。イタロよりもハイエナジーのが多いです
PIGEON :
ハイエナ!!
たしかに今回のミックスも80s後期の初期Hi-NRG、ユーロ寄りの音に影響をうけている印象でした。
DJ SHIKISAI :
NYのThe Saint (※1980~1988の間NYにあったクラブ) のライブ録音が結構サンクラに上がってて、数少ない文献を読みながら聴いてたら一時期めちゃくちゃハマりまして。
いわゆる王道ガラージ系は早い段階で通ってたけど、全く真逆の世界観にやられました 笑
PIGEON :
たしかUSでは70年代に自国でDISCOブームが終わった後、80年代にイタロの音源などをDJ達がUSに輸入してかけていた時期くらいに当たるんでしょうか!ハウス発端の前後というか。
DJ SHIKISAI :
そうですね!でもThe SaintはどちらかというとEuro Discoの流れですね!
PIGEON :
(The Saintにも出演していた) USのトリオ、Company Bとかも、いかにもユーロっぽい音を当時リリースしていましたね。
(※youtube : Company B - Fasinated1986)
DJ SHIKISAI :
割と初期のThe Saintの音源を聴くとカナディアンディスコとか、イタロディスコが多めにプレイされてて。朝方になるとスリーズっていってBPM90から100位のロックとかフュージョンを混ぜてプレイされるみたいな。
PIGEON : なるほど。
DJ SHIKISAI :
この世界観にめちゃくちゃハマりましたね。
高橋透さんの”DJバカ一代” で取り上げられてましたけど、最初クラシックから始まって徐々にBPMが140位まで上がって、朝方スリーズタイムに突入、みたいな 笑
PIGEON :
その世界のイーズムがありますね。
ちなみにどのようなきっかけでいつハマったんですか?
なかなか突然、そんなところにたどり着かないですよね。
DJ SHIKISAI :
高橋透さんの著書を読んだのもありますが、当時 The Saint の後期レジデントだったNao Nakamuraさんと色々お話する機会ありまして、サンクラとかMixcloudに結構当時のライブがアップされてたんですよ。
で、プレイリストとか探してちょっとずつ揃えたり聴いたりして行った感じですね。 僕、今回色々調べてハッとしたんですけど、イタロとハイエナジーって一緒くたにされがちですけど、正確には全然別物なんですよね。
PIGEON :
80年代後半からはじまった、ストック・エイトキン・ウォーターマンに代表されるユーロサウンドなど、実際、Hi-NRGがポップサウンドに移行する間にイタロのDJをやめた人も当時多かったみたいですね。
DJ SHIKISAI :
僕はそっちも好きなんですけどね。 笑
今回のミックスも、割と初期イタロファンからは無視されてそうなナンバーを中心に。笑
PIGEON :
かなりロマンティックですよね。ニューロマにも通じるような、ボーカルのメロディラインが強く、楽曲に展開があるものが多い印象をうけました。
DJ SHIKISAI :
ピジョンさんのミックスは割とファンク色というかハウシーな感じですよね。
PIGEON :
2000年代頭に、テクノの大手ディストリビューター兼レーベルCLONEなど、テクノのレーベルを筆頭にレアなイタロディスコの再発掘ブームが起きました。当時、私は、テクノ~ハウスとレアグルーヴの2つが好きで、イタロディスコの時代にに生まれていなかった自分にはかなり新鮮に写ったんだと思います。いわゆるジョルジオのシンセサウンドなどの雰囲気は、当時の流行っていたテクノの音などに直結する所もありかなり楽しかった。
DJ SHIKISAI :
なるほど!あの頃バンバン再発されてましたよね
DiscosessionsのCheeさんとかDr.Nishimuraさんが記事で紹介したのを良く見たような。うろ覚えですが...って僕記憶力無さすぎるな笑
PIGEON :
まさに!
ちょうど18歳の頃、2005年のSpectator Magazineで特集されていた、スパゲティ・ディスコ特集で初めて体系としてイタロをしっかり認識しました。
それまでは、Filter Houseを聴いていたので、元ネタとして、それぞれの曲をなんとなくは知っていましたが…
DJ SHIKISAI :
今回の曲もお互いのイタロ感がバリバリに出ましたね笑
どういう風に作り上げたんですか?
PIGEON :
まずは、イタロ感をみんなに感じてもらえるサウンドメイクをめざすのに、ベースラインの作成から入りました。
そのあとでビルドアップしたループに展開を与えるノリで曲を制作しましたが、なるべく、当時のイタロでありそうなサウンドを選びつつ、今のクラブで鳴らせる展開を意識して組んでみました。
DJ SHIKISAI :
なるほど!確かにあのベースラインかなり印象的でした!
手弾きなんですか?
PIGEON :
全て打ち込みですが、グルーブや、生っぽい雰囲気を出すためにシャッフルをつけてパターンを手打ちしました。単純なフリーのソフトシンセっぽいサウンドにしたくなかったので…。
DJ SHIKISAI : あ、それであの生っぽいグルーヴ感が出てるわけですね!
PIGEON : その雰囲気が伝わると嬉しいです。笑
DJ SHIKISAI :
夜中にDMで打診して翌朝にはデモ送ってきてて。めちゃくちゃ早くて驚きましたよ。笑
PIGEON : 脳内にイメージができるとアウトプットがはやいので。笑
DJ SHIKISAI :
羨ましい。笑
僕は頭に浮かんでも音色が決まらないとなかなか前に進めなくて。笑
PIGEON :
今回の曲はどのような段階で製作されたんですか?
ちなみに私の印象は歌のメロディのような旋律が強い印象でした。
DJ SHIKISAI :
前作がルーピーなトラックだったんで、今回メロディアスな楽曲が作りたくて、とにかくItalo DiscoならDAWで制作できるんじゃないかと。
それでYoutubeのハウツー動画を見つつ、アナログシンセのプラグインで音色を決めてから、手弾きしては失敗したらやり直してを繰り返しましたね。
PIGEON :
イタロのハウツー動画なるものがあるんですね! 最・先・端!
DJ SHIKISAI :
ありますあります! あっちは実機ですけどね。笑
キーとかコード進行とかも本当に全然わかんないんで、Midiキーボードをバーって押さえて。ベースは定番のオクターブ・ベースってのは最初から頭ににありましたね。
PIGEON : オクターブベースはアイコンみたいなものですからね!笑
DJ SHIKISAI : イタロ定番アイテムみたいな笑
PIGEON :
DJ SHIKISAIさん的にイタロの好きなトップの曲をえらぶとしたらどれですか。
DJ SHIKISAI :
わ~難しいですね~
んー、色々ありますが、”Mike Francis/Survivor”はやっぱりトップかもしれませんね!
次点で”Thoty/Love Is...”ってどっちも今回のミックスには入ってませんが笑Pigeonさんはどうですか?
PIGEON :
私はイタロ!というと"AzotoのSan Salvador"が頭に浮かびますが、個人的な趣味だと"Art de RosaのBel Air(But Version)"というインストバージョンで、やはりサウンドメイクに興味があるんだと思います
わたしもどっちもミックスにいれなかったので、youtubeのリンクを貼るのでこちらできいていただきたいですね。笑
DJ SHIKISAI :
Art De Rosaの切ないメロディ本当良いですよね
あのセンチメンタルでノスタルジックな感じ
PIGEON :
この辺りはいまのシンセウェーブに通じるところがあると思います。
古には(?)Play PaulがサンプリングしていたValerie Doreの楽曲などもそうでしたが80年代のサウンドとはいえ今の音楽シーンに繋がる部分も強く感じます。
DJ SHIKISAI :
Valerie DoreといえばGert Janson主宰Running Backから去年、リミックス込みでリイシューされてましたね!
PIGEON :
Get Closer! まさにその曲がPlay paulが20年前の2000年にサンプリングしてヒットを飛ばした曲でした。フィルターおじさんな私にとって、個人的に涙ものの再発でしたね。笑
DJ SHIKISAI :
2000年は早すぎる!!笑
僕15年くらい前にヤフオクで落札して届いてちょっとガッカリした記憶が笑
PIGEON :
その頃のDJ界は割と二極化していたように思います。
当時リイシューされていたのはより”音楽的”とされていたレアでマニアックなイタロの音源でした。一方で、同時期にもっと若い世代が聴いていた、フィルターハウスの元ネタとしては、2002年のSinemaのヒット曲、In my eyesでサンプリングされていたGary LowのI want you など、ポップスよりのイタロが多かった印象です。
そういう意味では当時のフィルターハウス・キッズだった世代がイタロをリバイバルする3周目くらいのフェーズなのかなと、うっすら感じていました。笑
(ちなみに私は当時、CarolaのHungerネタのハウスや、Marco MartinaのVenture In My Heartネタのハウスなどを発表してました…。)
DJ SHIKISAI :
そう考えるとKrystal KlearのNeutron Danceって本当バッチリなタイミングでしたよね。これもRunning Backか
PIGEON : 時期がハマったのはあるかもしれませんね!
DJ SHIKISAI : ジャンルを越えたビックヒットでしたもんね
PIGEON :
今回のEPは、最近の曲にもまぜて、DJで使いやすい内容だと思います。イタロのロマンティックなメロディラインは今の鬱々とした雰囲気を打開するようなポジティブさもありますし、ぜひ今回の視聴用DJミックスにくわえて、色々なDJにプレイしていただきたいですね。
DJ SHIKISAI :
今回も、レーベルカタログ全てミックスダウンからマスタリングをお願いしてるOniさんによる素晴らしいミックスで、フロア鳴りも最適になってます! 早くコロナ終わってフロアで鳴らしたいですよ笑
PIGEON : 間違いないです!その時はぜひ、初めて会って、クラブで遊びましょう! 楽しみにしています!
DJ SHIKISAI : こちらこそ!
~~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~
DJ SHIKISAI/DJ Pigeon - Spaghetti Dancer EP
6/1 発売 : JPY 700.-
1. DJ SHIKISAI - Addio Mia Amata (Original Mix) 5:56
2. DJ Pigeon - Yellow Lipstick (All about Funk) (Original Mix) 8:11
Mix & Mastering : Oni
DIESEL DISCO CLUBのカタログ第3番をかざるEPはDJ SHIKISAIとDJ PIGEONによる、異色タッグ擬似イタロEP! 2人のこだわりが詰まった、極濃ディスコをお楽しみください!(Bandcampリンクは日を追って公開予定!)
https://dieseldiscoclub.bandcamp.com/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?