傷病等への対処法(3)
実験・実習を実施するにあたっては、普段から安全についての十分な周知・徹底がなされていることが前提ですが、万が一、傷病者が出てしまった時の対処は速やかに、かつ適切に行われる必要があります。
今回は、観察や測量など屋外で実施される実習で想定される事故について挙げてみました。
●ハチに刺されたとき
・患部を冷やし、針が残っていれば除去する。スズメバチの場合は副腎皮質ホルモンを含有した抗ヒスタミン軟膏を塗布して、すぐに病院へ。
(※絶対に、傷口から口で毒を吸い出そうとしてはいけません。)
<以下、主な熱中症>※重症の場合は救急車による搬送が必要。
●熱けいれん
・筋肉のけいれんが起こる。発汗によって、大量の塩分が失われているので、水だけの補給は厳禁。スポーツドリンクなどから塩分も一緒に補給することが必要。
●熱射病
・体温が上昇し、意識障害や呼吸困難が起きる。首、脇の下、太腿の付け根などを直接冷却する。
●熱虚脱(日射病)
・めまい、血圧低下、失神などが表れる。涼しいところに移動し、頭部を低くして安静にさせる。衣服を緩めて、こまめに水分補給を。
季節によっては、夏の炎天下で実習を行うこともあるでしょう。日々、生徒の健康状態の把握は分かりにくいものです。急激な気温上昇が予想されるときには、「複数教員で・短時間で・避暑地を選んで」実施するなど、健康被害防止ための工夫が必要だろうと思います。