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でですけの「桜まつり」の裏側には、 バカバカしくも、意外とシミジミなエピソードがあった。

こんにちは、でですけです。

3月は冬の終わり、春の入り口。少しずつ暖かくなる日々が、なんだか心まで晴れやかにしてくれる、そんな季節のはずでした。でも今年はそうも言ってられないのは、みなさんご存知の通り。大規模イベントが続々中止となり、春の風物詩であるお花見イベントの中止や、「花見酒やめて」と宴会の自粛を求める公園も出てきました。いたしかたなしとは思いますが、なんだか寂しい気もします。

でですけでも、毎年3月の初旬から約1ヶ月のあいだ「でですけ桜まつり」というイベントをおこなってきました。店内に造花ではなく生の桜を飾り付け、お客さまにお花見を楽しんでいただくこのイベント。桜の季節は意外と寒かったり、雨が降る日があったりしますが、「でですけ桜まつり」なら心地よい店内にて、どんな天候でもお花見ができるので、この時期を楽しみに来店くださるお客さまも多いのです。公園などの人気お花見スポットだと場所取りをする人が大変だったりしますが、お店だったら電話やネットで予約ができますしね。

sakura_店舗集合

「でですけ桜まつり」も中止を検討しましたが、今年も例年通り開催することを決めました。「でですけが、いまできること」を真剣に考えた末の答えです。
(公式コメントは下記をご覧ください)

そんな「でですけ桜まつり」、長らくこの時期に開催していますが、実は「いつ頃からはじまったのか?」など、その歴史を会社のなかで誰もちゃんと覚えていない(笑)。そこで、でですけの社長である“十河(そごう)”と、全店の桜を生けている“みゆき先生”にインタビューして、じわじわと思い出してもらいました。(インタビューは2020年2月14日に実施)

―そもそも「でですけ桜まつり」はいつ頃はじまった?
十河:「いやー、いつからだろうね、みゆき先生?(そのあと長らくみゆき先生と昔話。誰それが、どこどこ店の店長だった頃かなぁ、みたいな。)そうそう、25年前くらいから、という感じかな。私が40歳頃のときだね。」

―最初からずっと、みゆき先生にお願いしていた?
十河:「そう、ずっとお願いしている。みゆき先生は私の昔からの仲間で、妹みたいな存在。なにかお店が賑わうことがしたいと思ったときに、お花見がいいんじゃない、だったらみゆき先生に頼んでみようか、という軽いノリで。」

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―当時も今と同じように8店舗でやっていた?
みゆき先生:「当時はまだ3店舗くらいしかお店がなかったかと。そのころの私は本業がグラフィックデザイナーで、お花はその少し前に習っていて副業程度でやってました。十河さんのお店にお花を生けに行って、お酒をご馳走になって帰る。お花のお代ももらっていましたが、ご馳走になるのが嬉しくて楽しくてやっていた感じですね。」

―お客さまの反応はどうだった?
十河:「それが、すごく喜んでもらえて。みなさんニコニコ帰っていく。そうなると、スタッフのみんなもノリノリになってね。“次の年もやりましょう”って。それもすごく嬉しかった。」

―いまは8店舗で開催しているが、どのくらいの量を仕入れている?
みゆき先生:「全店舗で総数75鉢分の桜を生けていて、それを1シーズンに3回入れ替えしています。生の桜なので、一週間程度で散ったり元気が無くなったりしますから。1店舗で1回に生ける桜のボリュームは、ワンボックスカーの後部座席が満杯になるくらい。それを3回も。お花を仕入れる大田市場で、『なにこの大量の桜?』っていうカタマリを見かけたら、それはでですけの桜だと思ってもらって間違いないです。」

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―そんなに大量に、、、費用も高そう、、、
十河:「イヤらしいから具体的な金額は言わないよ(笑)。同業の仲間からは『お金がかかるバカなことをやってる』って言われたりするけど、みんなホントはうらやましいんじゃないかな。バカなことをやれるのが。」

―無理やり続けているワケではない?
十河:「何しろお客さまが喜んでもらえるのが一番。だから続けている。それにスタッフのみんなも、やろう!って言ってくれる。毎日床に落ちた花びらを掃除しているけれど、掃除機が壊れるんじゃないかってほど散るからね。虫がわかないように管理するのも気をつかうし。でもスタッフも桜まつりをノリノリでやってくれる。桜まつりは『でですけ独自のイベントだ』と、みんな誇りに思ってくれている気がするからね。」

―やめようと思ったことは?
十河:「バブルがはじけた頃に、お店を潰したり、かなりしんどいときがあったけど、桜まつりは絶対続けようと思った。『バカバカしいことを本気でやる』そんな“でですけらしさ”の象徴が桜まつりだと思うし、続けるのは信念みたいなもの。あと2011年の東日本大震災の直後は、銀座の街のお客さんが減ってとにかく暗かった。でも、桜まつりはやめちゃいかんと思って。みんな元気だそうぜと。」

みゆき先生:「ホントに暗かったですよね。当時私がお店の外で桜まつりの準備をしていたら、そこを通りかかったサラリーマンの人がぼそっと『そうか、もう桜の季節か』って言ってたんです。みんな季節を忘れるほどショックが大きかったと思います。だからこの桜の花が街を少しでも明るくしてくれたらいいな、って思いながら生けたのを覚えています。」

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―最後に、この記事を読んでいただいている方に、なにか一言を
みゆき先生:「1箇所にボリュームのある桜を生けているお店があったり、天井を覆う桜を眺められるお店があったり、お店ごとに雰囲気の違う桜が楽しめるので、いろんなお店を巡っていただけると嬉しいですね。」

十河:「初めて来られる方は、想像以上の桜を期待してご来店ください。何度か来られた方は、今年もいつもと同じ桜が咲いておりますよ。」

令和最初の「でですけ桜まつり」は、3月初旬から4月初旬まで開催予定です。でですけ各店で、ご予算に応じた宴会メニューも幅広くご用意しています。スタッフ一同、みなさんのご来店を心よりお待ちしております。

桜まつりの詳細スケジュールや宴会メニューは、各店までご確認ください。

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株式会社でですけ 代表取締役 十河弘幸
都心を中心に8店舗の飲食店を展開する株式会社でですけの代表。ベトナムでは店舗プロデュースにも注力している。
古流東洋会 家元師範 畑中美由紀さん
通称「みゆき先生」。“でですけ ほぼ専属”のお花の先生として「でですけ桜まつり」の生花を担当。一年を通じて、でですけ各店舗のお花のコーディネートもおこなっている。

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