ピリカー達に出会って #未来のためにできること
道を歩いていても公園にいても、どこでも目にするポイ捨てごみ。
見つけたら拾ってごみ箱に入れる。
と、その前に。
私はごみ拾いSNS「ピリカ」を開き、落ちているごみを撮影する。
撮影したら写真にコメントを添えて投稿ボタンを押し、これで投稿完了。
ピリカには毎日、拾われたごみの投稿が次々とアップされる。投稿者は日本だけでなく、世界各地でピリカを使いながら清掃活動をしている人々、通称「ピリカ―」だ。私は他のピリカ―に実際に会ったことはまだないけれど、それでも彼らは今日も世界のあちこちで活動している。
私がピリカを始めたのは数年前。ピリカのタイムラインに表示されるたくさんの投稿を初めて見たとき、私はピリカ―達のエネルギーと個性に驚いた。ごみ拾いを「福拾い」と表現する人。タバコの吸い殻を拾っては数え続けている人。拾ったごみをアートのように並べて撮影している人。犬の散歩やジョギングがてらにごみを拾う人。清掃道具を自分なりにカスタマイズしている人。ごみとともに花の写真も撮影して、みんなの目を楽しませてくれる人。ごみ拾いの投稿をしながら地元の紹介をする人。そうやって自分なりのスタイルや美学を持ってごみ拾いに励むピリカ―達の姿は、きらきらと輝いて見えた。
実はピリカに出会うまでは、私は一人だけの清掃活動に何となく孤独を感じていた。別に誰かに褒めてもらいたいわけではないにしても、誰からも何の反応も無いとなると、何だか自分が孤立しているような不安がもやもやと沸き起こる。思い立った時に無理なくできる範囲でごみを拾う、そんな気軽さで街をきれいにしたいだけなのだけど、もやもやとした不安に負けてしまうことも多かった。
でも今は、私は一人で清掃活動をしていても、自分は一人ではないと思える。ピリカを開けば、そこにはたくさんのピリカ―達の投稿がある。その投稿に励まされた私はごみを拾い、それをピリカに投稿する。私の投稿も、きっと他のピリカ―達の励みに繋がっていることだろう。そうやって私達ピリカ―はお互いを励まし合いながら自分のペースでごみを拾い、街をきれいにしていく。
自分の街をきれいにしたい。そして地球もきれいにしたい。
そんな純粋な気持ちを行動に移すのに、不安にならなくても大丈夫。だって、そんな純粋な気持ちを持っているのは、自分一人ではないのだから。
ピリカ―達は私にそう教えてくれた。