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hama
2020年8月4日 16:09
映画とは、あくまで世界の不完全な再現に過ぎない。役者の演技、衣装、小道具、台詞、照明、音響、といった構成要素は、それぞれ世界の一通りの解釈を示す記号であり、世界そのものに対する代替品としてスクリーン上で像を結ぶ。それは、味覚/嗅覚/色覚/触覚を欠く夢のように、ふらりと立ち現れた虚像である。我々は外界から隔絶された暗い部屋に自ら入り、その虚像を見つめ続けている。自身の分身ともとれる映画監督グイド