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最近読んだ本たち。カポーティの『カメレオンのための音楽』、斉藤倫さんの『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』

親知らずを抜いたので、
その後ちょっとゆっくりしようと、少し予定を空けておいた。

そんなわけで部屋でゆっくりしているこの2日ほどです。行きつけの歯医者さんが、それはもう天才的に痛くない歯医者さんで、麻酔も、抜歯も、術後も痛み皆無!
本当にありがたい。無事です!

このところ、素敵な本を差し入れでいただいたり、プレゼントでもらったりと、ありがたい機会がありました。どうもありがとうございます。

そんなわけで本について。
Xにはちょこちょこ読むたびにのっけてたのですが、こっちにも。


これは人に教えてもらって、古本屋に通っては買い揃えたのですが、この春から、ずーっとハマっている、トルーマンカポーティの数々の著作。

つい最近読み終えた、カメレオンのための音楽。

相変わらず素晴らしくて、瑞々しい。
この前読んだ草の竪琴は、こんな美しいものを人間は生み出せるのかと、読んでいてどきどきと胸が高鳴り、心震えた。木の上の家は、いつか絵に描いてみたい。

今回のカメレオンのための音楽は、完結した作品としては、カポーティ生前の最後の本。いくつかの短編や中編で構成されている。


対話形式の書き方や、自問自答形式や、随所に新しい書き方、表現方法をトライしているのが見えて、驚かされる。
もちろん内容も素晴らしくて、面白い。

カポーティの著作は、残すところ一冊になってしまった。でもきっと何度も読み返すんだろうなと思う。これまで読んだ海外の作家の本で1番好きになったかもしれない。



そして次にこの本。


この前読み終わった斉藤倫さんの『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』
これはプレゼントでいただいた本なのですがこれがとっても素晴らしかったのです。
言葉というものの不思議さと、不完全さと、全てはすでに心の中や外側にあるんだけどそれをなんとか相手に伝えようとして生まれたという、そもそもの言葉の成り立ちを改めて感じさせてくれる本。

あとは、本というものの愛おしさもね!

部屋にどんどん本が積み上がっていく最近なのですが、そろそろ持ってるKindleもちゃんと活用した方がいいかしらとか思っていたりもしたけど、(でもなかなか使わないのよねぇ)

もともと、音でしかなかった、目に見えない言葉たちを、どうにかして文字を生み出して、地面やら、石板やらに書いて、それを遂に紙に残して、そうやって言葉を目で見たり、手で触れられるようにしたという、本や手紙やありとあらゆる文字と紙の歴史を思えば、こんな愛おしい物体は中々無いなと思ったりして。

止めることのできない時間の中をどんどん流れていって消えていく、生の音楽や演奏、歌をどうにかこうにか残そうとして、楽譜にしたり録音してSP盤とかレコードにして残したり、そんなものが生まれたのとも、きっとおんなじだよねぇ。


目で見たり、触れることができたりって、やっぱりとても価値のあることだな。と思いました。

児童書という括りのようですが、
大人にもずっしりと、ひびくものがあるんじゃないかと思った一冊でした。

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