有事のビットコイン買いならず!
前週からの動向
ビットコイン(BTC)は続落し、直近の上昇分を吐き出すような形状で、現在は420万円台まで下落している。
ウクライナ情勢が落ち着くとの報道や、高騰しているハッシュレートの最高値更新、強い米経済指標によりショートカバーを続け、下降トレンドを抜けたとの見方が増えていたビットコインだが、テクニカル的に意識された直近高値の530万円台トライに失敗し大崩れの形状となっている。
17日の難易度調整でディフィカルティが過去最高値となったことや、ここにきて急激に悪化しているウクライナ情勢により地政学リスクが再燃したことで、原油価格も再び上昇してきており、金融市場全体がリスクオフムードとなっていることで、安全資産とされる金価格の上昇も目立ってきている。
BTCはここにきて再び下落基調になってきていることで、テクニカル的にも売りやすく、アルトコインも大きく下落しているので合わせて足を引っ張られる形になっている。月足が陰線になってきているので、再び320万円台を意識する展開となるか注目。
アンバーグループの投資家向けレポートの解説より、マイナー勢の取引フロ―に大きな変更はなく、ここまでは大きな売りはして来ていないようだ。まだ上昇余地があると見込んでいると思われ、下がったところで買い始めるのかどうかフローに注目したい。
アルトコインではETHへの影響として、マーケットプレイス最大手のOpenseaを語ったフィッシング詐欺が発生したとの報道があり、驚くべきことに約3億円相当のNFTが盗まれたようだ。
定期的に発生するフィッシング詐欺から暗号資産(仮想通貨)やNFTを守るために、ウォレットや暗号資産口座は必ずブックマークから開くことを心掛けたい!それで大部分は防げるはずだ。
市場動向
市場は上記の通り、ウクライナ情勢によりリスクオフムードとなっており、恐怖指数が上がってきている。
プーチン大統領はウクライナ東部のドネツクとルガンスクを独立国家として承認したこの一連の動きにより、一定の成果を挙げたと思われ、ウクライナのNATO加盟を暗に認め、衝突は回避できたのではないかとの分析も出てきているが、まだしばらくはヘッドラインで一喜一憂すると思われる。
本格的な衝突とならなければいいのだが、ウクライナ国内での有事のBTC買いは過去最高クラスでありながら市場全体では小さいものとなっている。
他に警戒するべきは、今週発表予定のバイデン政権による暗号資産にかかる大統領令だ。内容が厳しいものとなった場合に備えてポジション管理にはご注意を。
■直近の注目イベント
今週中 バイデン政権による暗号資産にかかる大統領令発表
3月中 グレースケールBTC信託をビットコインETFに転換申請の結果発表
筆者:前田慶次
参照:Bitcoin日本語情報サイト
Amber Market Insight
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