暗号資産急騰!調整局面は終了か?軟調な株価とは明暗分かれる展開に
前週からの動向
先週半ばまで上値が重たい相場が続いていた暗号資産市場であったが、日本時間30日朝方から切り返し、今日現時点まで約120万円ほどの急上昇を遂げた。
米SEC(証券取引委員会)にて現在申請中であるビットコインETF(上場投資信託)の承認判断が再度延期となったものの、ゲンスラー委員長のビットコイン先物のETFの申請を歓迎するような発言が好感され買い材料となった。また同氏は5日、米国では中国のように暗号資産が禁止されることはないとの見解を示したことも、暗号資産市場の続伸の原因となっている模様。
同様に、FRBパウエル議長も暗号資産を禁止する意向がないとの旨の表明をした。以前からCBDC(中央銀行デジタル通貨)の開発により、暗号資産やステーブルコインは必要なくなるとの考えを示していたパウエル議長の今回の表明は、多くの投資家心理にポジティブに働いたと思われる。
心理的節目とされる1BTC=50,000ドルをあっさりと上抜ける展開となったビットコインは、テクニカル的にもちょうど100日移動平均線で上昇トレンドに反転しており、力強さが伺えるチャートを形成している。直近高値の53,000ドルを抜ければ、5月の史上最高値を目指す展開となる可能性もあるだろう。
環境要因
他金融市場では、原油価格がNY市場で7年ぶりの高値を更新、東京原油も3年ぶりの高値となった。OPEC(石油輸出国機構)とロシアをはじめとする非加盟国との協議により、来月の生産量が据え置きとなったことを受け、需給ひっ迫の懸念から買いが優勢となった。原油価格の高騰により、インフレ懸念が再燃したことでこれまで好調だったNY株部式市場は軟調な展開に。NY市場の影響を受けた東京株式市場にも下落の影響が波及する結果となった。
加えて、4日に発足した岸田内閣の低調な支持率や、岸田首相による金融所得課税の見直し検討の意向により東京株式市場は大幅に下落する結果となっている。また就任からわずか10日の今月14日に衆議院の解散、31日には選挙を実施する流れとなっている。結果次第ではまた一波乱となる可能性もあるので、相場の急変動には注意したい。
暗号資産取引への課税はかねてより、日本国内での暗号資産の普及課題の一つとなっていたが、株などの伝統的金融資産の課税強化は、相対的に劣位性の緩和に繋がり暗号資産市場への資金流入の要因となる可能性がある。
レンジ相場を上抜けた暗号資産市場と、インフレ懸念や政治不安により不透明感が漂ってきた世界株で明暗分かれる展開となっている。アセットクラスのリバランスを検討するにはいいタイミングかもしれない。
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
筆者プロフィール
ディーカレットのトレーディング部、チーフディーラーの齊藤成芳(せいほう)です!
証券会社で株や債券のリテール営業をしていましたが、相場に魅了されてトレーディング・ディーリングの世界に参戦しました。現在は資金移動やウォレット管理、マーケティング業務も兼任しております。暗号資産の普及を目指し、情報発信に励みます。暗号資産は誕生してからまだ日の浅いアセットクラスです。みんなで歴史を作りましょう!
好きな言葉は「ストロング・バイ」
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