見出し画像

【実施レポート】12/10 朝活イベント「本とわたし」

書店を開業してから、やりたいと思っていたイベントを実施できました。
簡単ですが、実施レポートを書いてみます。

この朝活イベントは「本を介してその人の考え方とか、本からの影響などを話していただきたいな」という発想で企画しました。
設定したテーマは「私の人生に影響を与えた本」。

テーマが壮大過ぎました。。。

参加された方からも「ちょっと申込のハードルが高かった」という声を聞きました。全然そんなつもりはなく、気軽に皆さんで語り合いたい、という趣旨でしたが、企画の出し方を考える必要があるなと思いました。
そのハードルに負けずに申し込んでくださった方々、本当にありがとうございます。。
当日の参加者は私を入れて7名。全体の時間では5名の方に発表していただきました。

発表していただいた本について(発表順に)

①宝石の国1~12巻(市川春子/講談社)

宝石を擬人化したお話で、登場キャラは28人。「宝石」というきれいで美しい物を擬人化することによって、その内面の弱さやコンプレックスなどの部分も描き、外側と内側のギャップを生み出している、というアイディアにまず純粋に面白いなと感じました。
28人どれかしらのキャラに、感情移入できるそうで、私だったらどのキャラになるのかなと、想像だけで楽しんでいました。「鬱マンガ」と評されることがあるみたいなのですが、そこでとどめずに深く読み込んでいくと更に面白い、とのことでした。

②海辺のカフカ(村上春樹/新潮社)

村上春樹作品の中でも、色々な世界観が次々とやってくる一作。文章自体は平易で読みやすく進んでいくのですが、読み終わった後に「どんな内容だったっけ?」とうまく伝えられないもどかしさ。めっちゃわかります。

君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年にならなくちゃいけないんだ

という言葉が印象に残っているとのことで、「タフになる=他者を攻撃するのではなく、自分を理解することが大切」と受け止めているそうです。他責と自責の思考にもつながるのかな?と聞いていて感じました。

③だれも知らない小さな国(佐藤さとる/講談社)

冒険のワクワク、信頼・友情を感じることができる一冊とのことで、この本自体は1959年に発売された本なのですが、現在まで読み継がれている名作です。発表者の方も、もう何度も何度も読まれているとのことです。
小さな頃から読み続けていて、今でもワクワクできるって素晴らしいですよね。
私も本屋を始めてから、幼少期に読んでいた本を並べているのですが、それだけで当時楽しみながら読んでいた気持ちを思い出しました。

④鴨川ホルモー(万城目学/角川書店)

発表者の方が京都に関心を持つきっかけになった本だそうです。話を伺うと、その後の京都への関心の高さが半端ないです。万城目作品は日常×ファンタジーということで、設定自体は突拍子もないのですが、しっかり作品として成立していて面白い。タイトルの「ホルモー」というのも、作品内で出てくる「鬼語」のひとつだそうです。
人生でうまくいかないことがあっても、「今じゃない、と思えるようになった」という逆・林先生の発想を持てるようになったそうです。
(ちなみに現場でも「逆・林先生」発言したのですが、ちゃんとスルーされました)

⑤西南シルクロードは密林に消える(高野秀行/講談社)

一般的に知られているシルクロードとは違う「西南シルクロード」を旅した記録のノンフィクション。作者のポリシーは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」とのことで、結構とんでもないことをされています。私はテレビ番組のクレイジージャーニーで拝見して「すごい人だな」と思っていました。
発表者の方もこの方の本をきっかけに作品に登場した場所に行っていて、現代版深夜特急を連想しました。旅に出たい。。。

全体的な感想

皆さんの本に関する発表、そしてその内容について色々をお話されている姿を見ていて、私自身もとても楽しい気持ちになりました。イベント自体が終わった後も、参加者同士で楽しそうに話し合っている様子を見て、このイベントが本を介して「人と繋がる」場になっていることを実感しました。やって良かったです。

参加された皆さんのおかげで良いイベントになりました。
せっかく面白い本をたくさんご紹介いただきましたので、紹介された本を仕入れて店頭に並べたいと考えています。
また、初めてやってみて私自身の反省点はたくさんありますので、改善しながらより良いイベントとして定期的に実施していきます。

ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?