Robotと下肢装具と私
昨日の続きです。
下肢装具は関節自由度に基づいて分類される。Passive KAFOには能動的に関節を動かす機構がない。代表的な膝継手はリングロックである。Stance-Control KAFOはスプリング機構により立脚期の膝関節制御を行う。歩行再建に必要なSynergyの誘導を目的としたものでなく、負荷量を調節する目的でPostPolio Syndrome等で利用されている。
Dynamic AFOは能動的に膝関節を制御する機構を備えている。Gait Exercise Assist Robot(GEAR)はその代表例である。藤田医科大学とTOYOTAの共同研究にて開発された。多彩なFeedBack方法や様々なタイミングでの膝屈曲伸展アシストを実現している。現在までRCTは2編発表され、FIM利得率が向上すると結論付けられている。
Orthobotは遊脚期の膝関節屈曲伸展を補助してする機能を持ち、既存のKAFOに脱着が可能である。脳卒中患者を対象した研究では3分間の使用後、装具を外してもAfter-Effectを認め、歩行速度やstep lengthおよびEMGのパターンが変化したと報告されている。
AFOも同様に能動的に関節を動かす機構が備わっているかによって、種類分けされる。Passive AFOは臨床でも最も標準的な装具である。能動的に足関節を動かす機構はない。この中には油圧での底屈制動を行う、Gait Solution Designも含まれる。Semi-Active AFOは、必要とされるトルクの少ない、背屈をアシストする装具を指す。
Sham群とAssist群を比較したRCTでは下垂足を呈す慢性期脳卒中患者を対象に介入前後およびFollow-Up(介入終了後3ヶ月)での歩行自立度評価(Functional Ambulation Category)、Fugl-Meyer Assessment等を調査した。
FACはPostおよびFollow-up時ともにSham群に比べ、有意に改善を認めた。FMAと歩行速度はPostで即時的で即時的な改善を認めたが、Follow Up時で有意差は認められなかった。その他項目では有意差を認めなかった。
3次元動作解析による歩行解析ではRobot群では床と足部の角度を示す、麻痺側Foot Tilting Angleと床反力垂直成分は有意に改善した。著者は加えて、歩行速度と床反力垂直成分の変化には相関があり、麻痺側への荷重の受け渡し(Weight Shift)が改善したことにより歩行速度に影響を与えたと考察している。Sham群では介入前より膝関節屈曲、足関節背屈角度が減少した。この原因としてRobotの重量、もしくは装具に対する信頼度割り付け(Credit Assignment)が考えられる。
今日はここまで。。。。
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