「姦淫するな」に従うなら、結局どんなふうに生きたらいいの？ ―現代的十戒解釈のススメ

世の中には実にさまざまな性的タブーがあります。婚前交渉がダメだとか、避妊や中絶がダメだとか、自慰がダメだとか、異性を性的な目で見てはいけないとか… こうした性的タブーの大部分は、キリスト教から輸入されたもののように思えます。

輸入された文化としてだけキリスト教と接している一般的な日本人でさえけっこう左右されている中、キリスト教の戒律に直接影響されるクリスチャンは特に悩んでいますね。

2000年以上前に作られた戒には、その当時なりの背景があって作られたものもあるはずで、そこを考慮しながら解釈していくほうがいいと思うのです。あまりに杓子定規に言葉づらに従おうとして、救われるどころか逆に要らぬ苦しみを抱え込んだり、本末転倒みたいになっているクリスチャンが多いようなので、カトリック信徒のひとりとして、「姦淫するな」に関する私なりの考え方を記しておきたいと思います。

※今回、かなり繊細な内容を扱うので、申し訳ないですが導入部分以降はすべて有料とさせていただきます。

「姦淫」の定義とは？

まずは、「姦淫」の定義を少し見てみます。旧約聖書時代の律法では、以下が死刑に至る姦淫罪とされていたようです。