僕のクラスメイト-上-
小学校時分、隣の女の子と授業中におしゃべりし過ぎて叱られることが度々あった。今では考えられないが、元来おしゃべり好きで女の子好きという性分だった。喋る内容といえばその頃からドラマやバラエティが好きだったので昨日のテレビの話とか、家族や友達をネタにしたエピソードトーク、ドリフの真似事みたいな下品なボケなど。小学生女子ってよっぽどひねくれてない限り男子のドしょうもないボケで死ぬほど笑ってくれる。なんて健気でカワイイ生き物なんだろうか。
そんな小学5-6年の頃、我がクラスには学校で1、2位を争う美人と誰もが認めるエミちゃんという女の子がいた。実際自分も最初にクラスが同じになった時からかなり気になっており、なんとか隣の席にならないか席替えのたびに念を飛ばしていた。しかし2年間同じクラスだったにも関わらず一度も隣の席に座ることはなかった。わざわざ気になる子の近くに行って気軽に話しかけられるようなプレイボーイでもなかったため、結局一度も会話を交わすことなく卒業を迎えてしまった。
ただ、中学も同じ学区内だったのでそのまま同じ中学校に入学し、そして運良く再び中二の時に同じクラスになることができた。しかし思春期真っ盛りの中学男子だった私は、異性への意識が高まり過ぎて隣の席の女子にさえ話しかけることもままならない体たらくとなっていた。その時も席が隣になることは一度もなかったのだが、集会などで背の順で男女それぞれ列を作って並ぶ時、たまたま隣がエミちゃんで、初めて隣同士になるという好機に恵まれた。
だが隣にいても何か話しかけることができない私は、むしろおまえなんか見てねえよみたいな態度で彼女に対してそっぽを向いてそのかけがえのない貴重な時間を噛み締めていた。
不遜な態度でいつ終わるかも知れない先生達の与太話に耳を傾けていると、不思議なことが起きた。誰かにシャツの袖をぐいっと引っ張られる。いつの間にか列から外れていた私を誰かが元に戻そうと引っ張りやがったのだ。イラっとして振り返ると袖を引っ張っていた主はなんとエミちゃんだった。
長くなったので頭突く。