クラスメイトの女子、全員好きでした
木曜深夜のドラマ「クラスメイトの女子、全員好きでした」がアツい!ジャイアンの声優として有名な木村昴がドラマ初主演の本作。物語は売れない作家志望の主人公が突然文学賞を受賞するシーンから始まる。
しかし記者会見場で小説の着想についての質問を受けた主人公は、なぜか挙動不審な様子でアイデアが浮かぶツボがあるという苦し紛れの嘘を付く。そう、実は受賞した小説の元ネタは中学の時にクラスで埋めたタイムカプセルから出てきたクラスメイトの女子の誰かが書いた創作小説だったのだ。
その後、副賞として雑誌での新連載が決まった主人公は元々才能がないため話が全く思い浮かばず、ついにそのプレッシャーに耐えかねて担当編集者に受賞作品は盗作だったことを白状する。しかし盗作の事実を知らされた担当編集者は担当作家がつくづくコケてもはや後がなく絶対に失敗は許されない状況。そのためこの盗作の事実を隠蔽し主人公と一蓮托生となり、本当の作者を探し出し口止めすることを決意する。
手始めに当時のクラスメイトで心当たりある人はいないか尋ねてみると、主人公は中学時分の瑞々しい記憶を語り出す。しかし話はいつの間にか大幅に脱線し、気付けば当時好きだった女の子の面白おかしく甘酸っぱい思い出話に花を咲かせていた。この話に大いに感銘を受けた担当編集者は、クラスメイトの女子全員が好きだったというこの主人公の思い出話の数々を新連載のテーマにすることを決める。
以上がこのドラマの基本設定で、小説を書いた真の作者を探すというサスペンス要素と、好きだったクラスメイトの女の子全員との決して実らない恋愛模様という二本柱が絡み合いながら物語をドライブさせていく。
その主人公が想いを寄せるクラスメイトというのが変わった子が多く、決して一般受けするようなタイプではない所がとてもいい。ほんの一瞬好きな人の嫌な一面が見えたというだけで蛙化などと興醒めしてしまう昨今、モテない中学生男子のほんのちょっとしたことでクラスメイトを好きになってしまうウブな感受性こそが現代人が見習わなければならない多様性理解への第一歩なのかもしれない。
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