菩提心の称賛《宝珠の灯》第339偈
339)うちに菩提心が無ければ、
振る舞いが美しくとも、何の役に立とうか。
うちに菩提心が無ければ、
教えや道理を語っても、何の役に立とうか。
その人のなした行為は、
動機によって
結果をどう経験するのかが変わる。
同じ行為をしていても
相手を思いやってなした行為であれば、
その結果
自分に対する
他者からの温かさで返ってくる。
相手を大切にしていなければ、
大切にされない結果が返ってくる。
楽、幸せと
苦、不幸は
心で感じるものだから、
外からの働きかけが同じであったとしても
感じるこちらの条件によって
幸・不幸が変わるのだ。
純粋な利他の気持ちでなされた行為は、
ただ息をするだけ、
歩くだけ、
話すだけでも、
美しくとも美しくなくとも、
誰も傷つけることはなく、
安心で他者を護る。
自身もそこにあるだけで
福徳を積む。
それに慣れると、
菩提心の欠如した行為は
栄養のない食べ物のように
感じられるのだろう。