スリーアウト・チェンジ
日常生活の中にも、小さな物語や、笑っちゃう話があるものである。
今日はそんなお話を一つ。
さて、今月末から同じ州内の山間部へ旅行に行こうと計画を立て始めた途端、ある情報が飛び込んできた。
州内で感染者数が増えてきたので、越州する公共機関では、予防接種二回接種済み証明か、PCR検査陰性証明の提示が必要だとのことであった。
実際、ダラムサラにも観光客が多く出現している。
久しぶりの遠出のせいか、彼らの表情も明るい。
人が増えると商売も繁盛するので、道の商売人もやる気が出てきている。
店員の多くも、観光客や以前の生活に戻り始めた人々のように、マスクをせずに笑っている。
病気をそれほど恐れていない様子である。
そんな中で公布された州の公文書。
『州外から入州する場合だけなのか?』と思ったら、文面は州内の地区で移動する場合にも証明が必要だと見て取れる書き方である。
山のある地区は、現住所のある地区ではない。
これは大変だ。
山に至るには陰性証明を調えなければいけない事態に立ち至った。
とはいえ、検査は今まで考えたことも無かったので、何処でどうやったら良いのか分からない。
知人のご家族が近くの公共病院に入院した時、例の検査で陰性証明が必要であったと聞いて、最寄りのその公共病院に電話をした。
結果、入院患者に対する検査は行っているものの、それ以外の私的な検査は行っていないということだった。
近場でもう一つ公の、「○○病院で検査しているから」とのことである。
アウト。
ネットで、ダラムサラ近郊の検査施設を調べてみた。
全ては同じ研究機関に繋がっており、幾つか実施施設が紹介されていた。
そこに、先に紹介された○○病院も載っていた。
同行予定の、思い立ったらすぐ行動する真面目で素晴らしい友人が、「以前所用があったから」ということで病院の電話番号を保持しており、その場でかけてくれたが、出なかった。
日曜日のインド独立記念日だったからかもしれない。
仮アウト。
その病院は、筆者たちの住む場所からは僅かに遠い。
近場でないかと見ていたら、全くご近所のクリニックの名前が載っていたので、その場で記載されている電話番号にかけてみた。
電話には出た。
しかしそのクリニックでは例の検査をしていないという。
アウト。
もう一度公の病院の電話番号を確認してみると、固定電話(↑仮アウト)ではなく、携帯電話の番号が記されていた。
かけてみた。
オフである。
日曜日の独立記念日だということで、再び仮アウト。
翌日の朝、SNS上で「バスでデリーから来た知人が、証明の提示を求められなかった」という情報をシェアしてくれた方がいた。
州の公文書が発布された直後なので、『おふれが行き渡っていないのか?』とちょっと思った。
あるいは、実際問題として誰がチェックするのかを考えた時、『車掌は運賃回収、ドライバーは運転に忙しいはずだから、始発で時間がある時にだけ、チェックするのだろうか?』とも思った。
要するに、証明提示が確実に必要か、不必要かは分からなかった。
これについてあまり関係ないことであるが、検査機関のトップにあたるドクター○○さんの写真を、筆者はひょんなことから数日前に目にしていた。
欲が深そうな印象に映り、『何かやだなー』という気持ちになっていたので、
それが検査に対する姿勢に影響を与えていたのかもしれない。
それでも一応問い合わせだけはやっておこうと思い、
昨日欠けてオフだった公の病院の携帯電話の番号に、月曜日の九時半過ぎにかけてみた。
オフだった。
アウト。
スリーアウト・チェンジ。
もうここまで来たら、法を乗り越えてでも地区を乗り越えようと心に決めた。
午後になって、友人からメッセージが入った。
州内のバス移動には証明が必要無いと、バス会社のカウンターで聞いたとのことであった。
試合終了。
一件落着のところで公文書の落ちをつければ、飛行機で移動する場合には、空港で証明の提示が義務付けられているとのことである。
インドは好きだ。
インドあるあるの話である。
あ、あんまり笑えなかったかな?
DECHEN
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