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菩提心の称賛《宝珠の灯》第232偈

232)吝嗇は金銀で喜ぶ。
好色は若い娘で喜ぶ。
蜜蜂は蜂蜜で喜ぶ。
聖者は菩提心で喜ぶ。


「吝嗇(りんしょく)」はケチのことだが、
金銀で喜ぶケチは
日本語のケチのイメージではないので、
吝嗇と訳した。

「蜜蜂」は修辞法を通した訳で、
チベット語直訳では「回って行く者(‘khor ‘gro)」。
ブンブンと花や巣の周りを回って飛んでいるので、そう名付けられるらしい。


吝嗇も好色も蜜蜂も、
欲望を具えて同類である。

その順番も、つらつら考えれば、

衣食住に上乗せされて、
金銀や貨幣経済に関わる欲望と、

衣食住とは他に、
性的な欲望に関わるものと、

シンプルに
生きる糧を求める欲望が提示されて、

喜ぶ理由がどんどん分かりやすくなっているような気がする。


シンプルに
ただ喜ぶ喜び方で、
聖者は菩提心を喜ぶのだろうか。

いろいろ理由を考えて
喜ぶのだろうか。

何だか前者のような気がする。


子どもが単純に、
素敵なことを見つけて喜ぶように。

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