菩提心の称賛《宝珠の灯》第298偈
298)常に煩悩がかき乱した
心相続に菩提心が生じることは難しい。
泥沼から離れた場所に
泥から生えた百弁の如く。
「百弁」とは、蓮華のこと。
蓮華は泥の中から茎を伸ばすが、
美しく咲いた花は
泥に汚されていない。
花からは連想し難いが、
根が張っているのは
水分を沢山含んだ泥地。
栄養のある細かな水っぽい泥が無ければ
蓮華は育たない。
常に煩悩で右往左往している心は、
砂嵐が起こっている砂漠のようなもの。
水も無いし、栄養も無い。
一所に留まることも無い。
菩提心を生やしたければ、
先ず落ち着いた心の土壌と、
愛情と慈悲の水分と、
喜びの栄養を用意して、
菩提心の種を植えよう。