インターネットに人生を変えてもらった自分が、今度はブロックチェーンを通じて人々の可能性を切り拓く存在を目指して
「すべてのモノをブロックチェーン上でやりとりできる世界をつくる」というミッションを掲げる株式会社Decentier。国内大手の事業会社や外資系コンサルティングファームなどでキャリアを積み重ねていく中でブロックチェーンと出会い、現在はDecentierに参画している岩船に話を伺いました。
ーー岩船さんはこれまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。
学生時代は正直仕事というものに真剣に向き合うことはせず、キャリアという点においてはだらしない人間でした。中学生の頃から趣味のペン回しに没頭して、自分でウェブサイトを立ち上げましたが、ウェブサイトがきっかけでお声がけいただき、高校2年生の時にTVCMに出演させていただく機会をいただきました。その際、撮影のため東京に行く機会があって、それが自分にとっては大変刺激的だったこともあり、大学は東京に進学すると決めて上京しました。ただ、当時はひたすらペン回しのことばかり考えていましたね。
自分たちで協会を立ち上げ、副代表としてペン回しの魅力を広げるために奔走したり、世界大会の運営に携わったり、日本大会を開催したり、ネット上に動画をあげたりと精力的に活動していました。そういった、「自分で何かを起こす」ということにすごく楽しさを感じていたので、就職活動をして、企業に就職して仕事をするというイメージがあまり得られませんでした。
その結果、ペン回しのご縁で知り合った方にポジティブなお声がけをいただいたこともあったのですが、リーマンショックなども重なったこともあり、諸々上手く行かず、最終的には就職浪人をすることになりました。自分の中では当時「このまま就職するのは面白くない」と思っていたのですが、流石に働かないと生きていけないので、次の年は必死に就活して、「事業も働き方も安定しているから」という理由で日本郵便に入社しました。
郵便配達など、さまざまな研修も受けさせてもらい、本社での財務経理ポジションでいろいろなことに挑戦させてもらいましたが、ちょうど入社から4年経って異動を打診されたタイミングで、環境をがらりと変えようと思い、退職を決意しました。
ーーその理由とは何なのでしょうか。
実は当時大好きだったももいろクローバーZと私立恵比寿中学の影響がすごく大きいです。彼女たちが真剣に努力して、夢を叶える姿を見ているうちに、「俺はこのままで本当にいいのか?」と考えるようになって。自分のキャリアに改めて真剣に向き合った際、物事を作り出したり、推進したり、変革するための圧倒的なビジネススキルをつけたいと考えました。そうしたスキルを身に着ける環境としてどこが最適なのかを考えた結果、2015年にアクセンチュアに転職しました。
国内外を問わず、大小様々なプロジェクトに関与させてもらい、自分にとっても大きく成長できた時期の1つだと思います。新規事業開発や海外マーケットのリサーチ、非営利法人での組織改革など、本当に多岐にわたる経験を積ませてもらいながら、コンサルタントとして働く面白さも知ることができ、その後も会社は変われど、コンサルタントとしてのキャリアは継続して突き詰めていました。
ーー岩船さんがブロックチェーンと出会った時期は覚えていらっしゃいますか。
海外企業向けのマーケットレポートを作成するプロジェクトに参画していた2016年頃にブロックチェーンやビットコインの存在を知りました。当時はビットコインの価格が4万円代で推移していて、勉強も兼ねて30万円ほどビットコインを購入したことを覚えています。当時の価格で今も持ち続けていればその価値は100倍以上になっていましたが、残念ながら当時住んでいた家からの引っ越し費用を作るため売ってしまったことが今でも少し心残りです(笑)。
ただ、そこからも常にビットコインだけでなく、今で言うweb3領域の動向はウォッチするようになりました。web3関連のプロジェクトにもコンサルタントとして参画するようになり、そこで弊社創業メンバーの3名とbitFlyer Blockchainでのプロジェクトで一緒に働くことになります。その後はブロックチェーン領域で事業開発に関わりたいと考えるようになり、事業会社で事業開発なども担当しました。ただ、自分の力不足を感じることが多く、再度コンサルタントとしてweb3領域に限定せず、さまざまなプロジェクトに従事しました。ただ、やはり他の業界を経験して改めて感じるのはweb3領域の刺激の強さだったり醍醐味だったりで。今後の身の振り方を考えている中で、弊社の小畑らに声をかけてもらい、Decentierの一員として改めてweb3領域に再チャレンジを仕掛けています。
ーー岩船さんから見て、web3領域はどの辺りが魅力的に映ったのでしょうか。
直感めいた部分は大きいのは間違いないですが、web3が目指すビジョンや方向性が、学生時代に心酔していたビル・ゲイツが当時思い描いていた世界そのものに進んでいると感じられたことが大きかったかもしれません。1990年代はいわゆる「web1.0」の時代で、一般家庭に徐々にインターネットが普及し始めた頃で。当時読んでいたビル・ゲイツの書籍「ビル・ゲイツ 未来を語る」には、IoTという言葉がなかった時代に、「世の中の電化製品がインターネットに接続される」「今よりも遥かに膨大な情報が収集・分析できる世界に変わっていく」と書かれていて、中学1年生だった自分にとってはガツンと頭を殴られるような衝撃があったのを覚えています。
丁度その頃には、私もいろいろな書籍を読みながらプログラミングしてフリーウェアのソフトウェアを公開したり、ペン回しのホームページを作って動画を公開したり、そこから画面の向こう側の人たちと繋がりが生まれるなど、自分の生活の中にインターネットという存在が非常に大きなウェイトを占めているのは肌身で感じていました。そしてその後、高校生、大学生になり、インターネットを介して、世界中の人たちとペン回しの大会を開催したり、日本ペン回し協会を立ち上げていく中で、たくさんのかけがえのない仲間に出会うことができ、インターネットが自分の人生を大きく変えているということを度々実感させられました。
ブロックチェーンの存在は、インターネットが世界と人間の在り方を大きく変えたように、世界を変えうるものだと直感的に考えています。インターネットが世界を変えていった90年代後半~00年代前半、当時の自分はまだ小・中学生で、あくまでサービスの受け手という立ち位置がメインでしたが、今の自分であれば世界を変えうる大きな波に乗り、自分がサービスの作り手や推進者になれると思ったからこそ、キャリアの軸にしたという部分はありますね。
――いろいろな企業でキャリアを積み重ねてきた岩船さんから見て、Decentierという組織はどう映っていますか。
今まで経験してきた企業の多くは事業規模も大きかったので、どうしても組織の中に制約やしがらみがあったのは間違いありません。担当する業務が一定の範囲で区切られていることが組織の全体最適を考えた際には不可欠な分、自分の興味関心がある分野にタッチできない場面が少なからずありましたが、Decentierではそういったことは一切ありません。
また、私達が日々お会いする経営者の方々は、起業家、創業社長であり、自ら事業を立ち上げ、成長させてきた方と今後の事業のあり方や可能性を直接ディスカッションすることができます。大手コンサルティングファームでの経験も貴重なものではあった一方、こうした経営者や社長らと直接話す機会はあまりなく、自らの手で起業し、事業をグロースさせてきた経験を持つ方と話す機会も限られていました。
その点、Decentierでは創業社長や現場を熟知したボードメンバーらと非常に熱のこもったディスカッションをさせていただく機会に恵まれていて、自分が将来こうありたいと思えるようなモデルケースになる方々と日々接しながら仕事ができていることはすごくポジティブです。
――「モデルケース」という言葉が出てきましたが、岩船さんは将来成し遂げたいことなどはありますか。
自分の手で世界に誇れる事業を創りたいという思いは明確に抱いています。起業はそのための1つの選択肢ではありますが、このDecentierというチームでもこの夢は実現できる可能性はとてもあるなと思っていて。リスクを恐れず、自分たちが日本や世界に認知されるだけの大きな仕事をやってのければ、web3領域に対する意識や見られ方も変わるはずで、それをやり遂げたいという気持ちはすごくあります。日本という国に生まれた以上、日本全体に蔓延している閉塞感を払拭する一助になれたらと思いますね。
ーーDecentierをより強いチームにしていくために、Decentierが今必要としている人材とはどのような方だと思いますか。
会社として見たときにはまだまだ未成熟なところも多いので、ビジネスの最前線でいろいろな経験を積んできているということは大前提になると思いますが、web3領域の実務経験は入社してからキャッチアップしていただくでも問題ないかなと思っています。
それに付け加えるとすると、インターネットやSNSの登場で人生が変わったという自覚がある方も良いかと思っています。私自身が、インターネットを通じて人生の可能性を切り拓いてもらった一人だと思っていて、画面の向こう側にいる人達との繋がりが、自分を形成する根っこになっています。「web1.0」「web2.0」といった節目に登場したサービスやプラットフォームを通じて、自身の生き方や価値観が大きく変わった経験がある方であれば、次は自分たちがその変化を生み出し、世の中に広めていけるチャンスがあるはず。後から振り返ったときに時代を作った側でいられるチャンスがDecentierには間違いなくあると思いますし、こちら側に立って世の中にインパクトを残していきたい方と一緒に働けたらと思います。
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