東アジアのシビックテッカー集まる!|Facing the Ocean Yokohama参加レポート
Facing the Oceanは、東アジアのシビックハックコミュニティである、台湾のg0vと、韓国のCode for Korea、日本のCode for Japanが共同で運営しているハッカソンイベントです。
g0vのイベントであるg0vサミットについては、先日の記事でご紹介させていただきました。
2016年9月に第一回を沖縄で行い、昨年Facing the Ocean 済州島に続く、第四回目。
私は初回の開催より関わっており、過去の開催の模様についてもMediumの記事でも紹介しております。
人数は増え、11ヵ国から100名を超えるの申し込みがありました。
開催日である8月17日は地震に続き、台風の影響により飛行機がキャンセルになったりで、残念ながら渡航がかなわないメンバーもいました。
そんな中での横浜での開催となりました。
みんなで創るハッカソン
Facing the Oceanは、成果物の勝ち負けを決めるためのハッカソンではなく、東アジアのシビックハッカーの出会いの創出を目的としています。
自身もコミュニティの運営をしているシビックハッカーが集まるので、全員運営を意識した動きをしてくれるので、みんなで作り上げている感があります。
突然の飛行機のキャンセルにより参加がかなわなかったメンバーのために、ライブストリーミングでの配信をすることを開催2日前に決まりました。
これも、ノウハウがある参加者のサポートにより、当日はYoutube Liveでの配信が叶いました。
Live 配信のログは、Code for Koreaのチャンネルから
多様なバックグラウンドのメンバーが集まるプロジェクト
参加者の声で印象的だったのが、
「プロジェクトを始まる前にいきなり開発ではなく、議論によりこのハッカソンで何をするか、認識合わせをするところから始まる」
ということでした。
今回のハッカソンは、プロジェクト持ち込み形式での実施です。
プロジェクトのオーナーが、自身のアイディアを発表し、やりたいこと、求める貢献を伝えます。
学生もいれば、民間企業で働くエンジニア、アカデミック領域にいるジャーナリストなど、文化的背景が異なる多様な参加者が集まりました。
始まる前は、各国で事情が異なるプロジェクト、言語の違いがハードルになるのではないかと、思っていました。
始まってみれば、グローバルなプロジェクトに慣れているメンバーが多いこともあり、言語は違えど丁寧にコミュニケーションを取っている姿が印象的でした。
ハッカソン内で何をするかスコープを決めて、それに向けて役割分担をするところから始めるなど、同じ認識でいると当たり前に思い込むわけではなく、違うことを前提にコミュニケーションをとることでうまく進んでいました。
成果発表
プロジェクトは全部で15のプロジェクトが最終的な成果発表会での発表しました。
日本酒のデータベースを作るCode for Sakeや、Facing the Ocean自体のCode of Conduct(行動規範)を考えるプロジェクトなど、各国のプロジェクトが集まりました。
UIの多言語化
世界中から参加者が集まるハッカソンならではですが、中国語、英語、韓国語、日本語への翻訳が進んだプロジェクトも多かったです。今回はタイからの参加者もあり、タイ語への対応を進めたプロジェクトもありました。
情報の蓄積
各国のシビックハッカーが集まっているので、Formsへの回答やインタビューにより、各地でのシビックテックの状況情報や、プロジェクトについての情報のリサーチも進みました。
技術的な機能追加
専門技術を持つエンジニアにより、AIによるカテゴリー付けや要約などの機能が追加されました。
まとめ - 国を越えた緩いつながり -
対面での実施ができない期間もありましたが、5年に渡り、毎年別の国で行われているFacing the Ocean。
どうして、続けることができているのかというと、
「コミュニティのメンバーにまた会いたい、緩いつながりだからこそではないか」、というオーガナイザーの最後のまとめが印象的でした。
「シビックハック」という同じ活動を行っている人が、自分たち以外にも国を超えて存在しており、その人たちと交流することで、また自分たちも活動を続ける活力になると感じました。
次回は2025年台湾での開催に向けて、企画中です。