イタい僕のイタい文化祭

20代30代の方なら、文化祭で「オタ芸」を打つ人たちを見たことがあるだろう。
僕の高校にも文化祭の出し物でオタ芸を披露している人たちがいた。
確かサッカー部だったかテニス部だったか。

文化祭が近づいてくると、放課後にそれぞれの部活が出し物を練習する風景が見られた。 ダンスをやっている部活が多かったかな。
僕は特に部活に参加していなかった。 厳密にいうと部活への参加は必須だったのだけれど、どうでもいいような部活に参加して幽霊部員となっていた。そもそも学校にも行っていない期間があったので、部活への参加だけでなく僕という存在自体を曖昧にすることができていた。

そんな僕は高校以前、中学生のころからアイドルが好きだった。
世の中は空前のAKB48ブーム。僕もドハマりしていた。

そこから徐々にオタク系の趣味としてアニメを観たり、ボカロを聴いたりするようになった。
ボカロなんかもまた大ブームだった。僕は結月ゆかりが好きだった。
その延長でオタ芸の存在を初めて知った。
今はYOASOBIの「アイドル」に合わせてK-POPアイドルが”ロマンス”と呼ばれるオタ芸を打つ動画がバイラルになったりしているけど、僕がオタ芸に初めて触れたときはアニソンやボカロに合わせて打っている動画が多かった。
普通にオタ芸を”打つ”と表現してきたけど、オタ芸は”打つ”ものなんです。

「踊ってみた」なんかも流行っていたので、見よう見まねで友達と踊ったりしつつオタ芸も覚えてみたりしていた。
オタ芸には技のようなものがあって、曲の中でそれを組み合わせていくので、その技のようなものを一度覚えてしまえばどんな曲にも対応できる。

ので、技をいくつか覚えていれば当然高校の文化祭でどこかの部活が披露するオタ芸にも対応できてしまう。

ここからが僕の激イタエピソードの本編。
YouTubeなんかで検索してもらうとわかるのだけど、オタ芸は曲のサビ前で使っているサイリウムを投げたりする。文化祭なんかでは特に。
当然、僕のほうにもサイリウムが飛んでくる。
僕がオタ芸を打てることを知っている友人がはやし立てる。
僕は体の赴くままに、曲の1サビからラストまで、ステージの下でオタ芸を打ってしまった。
ステージに立っているあんま知らん部活の人らと対峙するように。

僕の周りは普通に盛り上がっていたし特にお咎めもなく終わったのだが、なぜか「どうして彼を止めなかったんだ」と僕の友人が一人ちょい怒られをしていた。

当時、キラキラしていた運動部に対抗できる要素がサブカルオタクダンスしかなかったのだと思う。
今思えば対抗なんて1ミリもできていないのだけれど。

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