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PoEの世界観的なやつ

はじめに

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洋ゲーの何が難しいって、知らん単語がいっぱい出てくるところなんです。

特に濃密に作られた世界観を持つゲームなんかだとプレイヤーが体験する部分だけでなく、ゲームの舞台となる世界の歴史…それこそ宇宙創造から話が積み重なったりしてて、神々や重要人物の名前、世界固有の物質名、地名、種族名などなど、知ってて当然の如く会話の中に混じってきます。

今でこそTESシリーズのデイドラなんかは現実の宗教以上に詳しくなったりしてますが、これらの用語はやはりすぐには覚えにくいもので、単語の意味がわからないことで会話の意図が掴めなかったり頭に入ってこないことはしょっちゅうです。

というわけで今回は年末からドハマりしている名作古典RPG、Pillars of Eternity(PoE)の世界観や頻出する用語、歴史上の重要な出来事などを簡単に解説してみます。
今回は世界観編。


自分としてもクリアした後に一旦整理したいなーって気持ちが湧いたので、自分用のメモついでに、プレイする上で抑えておくべきポイントもピックアップ。
1周目の楽しみを奪うネタバレは無し!ゲームの理解を深める一助となれば幸いです。
ゲーム内で読める本も参照してね。



世界観


・輪廻

まず大前提として、この世界(エオーラ)では輪廻転生が実装されています。

「死んだらあの世にいくよ」
「いやいやまた蘇るから身体塩漬けにしておくよ」

みたいな個人の死生観の話ではなく、

すべての命に『魂』が在り、死を迎えると魂は神々(後述)の元へと向かい、時を経て再び生を受け、新たな肉体へと宿るという仕組みが確実に機能しており、人々もそれを理解し、受け入れています。

ゲーム内でよく使われる「車輪を回す」的な慣用句はこの輪廻転生のことを指しています。



・魂と信仰

『魂』は個人の意識、記憶、人間性の本質です。

絶命直後で身体の近くに残ってる魂がいたり、ふらふら彷徨ってる魂がいたりしますが、それらは神の元へと向かう途中の状態です。
魂は生前信仰していた神の元へと導かれ、転生の際もその神にゆかりのある種に生まれ変われる、と言われています。
農民は光や成長、嵐を司る神へと祈ったり、兵士は勝利や幸運を司る神を崇拝したりと、自分の生き方にもっとも関係があると思われる神に信仰を捧げています。
農地を荒らす侵略者と対峙する際に戦いの神に祈ったり、行軍中に飢えに苦しむ兵隊が狩猟の神に祈ったりと、状況に合わせて適切な神に祈ることも一般的です。

魂は輪廻の中で欠けたり、分裂したり、粉砕されながら再び大地に蘇ることとなるわけですが、基本的には新たな生命として誕生します。
豊かな人生を歩むため…そして最期には信じる神の元へと導かれてより良い来世を迎えるために信仰を捧げるのは当然であり、信仰の欠落は異常者か、生きる目的を持たない哀れな人という扱いをされます。
実際のところ、特に信じる神のいない人は死後ランダムな神の元に振り分けられ適当に生まれ変わります。
それは信仰を持つ人からしてみると自分の魂を賭けた恐ろしいギャンブルのようなもので、ほとんどの場合、今より悪い生へと生まれ変わってしまうと思われています。



・アニマンシー

信仰と結びついた生と死の自然なサイクルが存在するのは浸透していますが、実際に魂がどのように機能しているかは明らかになっていません。
魂が肉体と定着しているのはなぜか、それらを操作することはできるのか、脳と魂の相互作用、人と犬の魂に違いはあるのか…

そんな『魂』を科学的に研究する学問が『アニマンシー』です。

太古の昔から魂の本質を探る研究は大なり小なり行われていましたが、大きく進展があったのはここ100年くらいのものでまだまだ不明瞭な部分も多い発展途上の分野です。最近ではアドラという物質(後述)の利用に加え、2つの主要国家がアニマンシーを合法とみなしたことから更に研究は活発となりました。

ネクロマンシーと同一視されることも少なくありませんが、狂気に陥った人を正常な状態に戻したり、魂を調節して人格の欠落を治したりと目覚ましい成果をあげてきており、生と死、そして転生のメカニズムを理解できるかもしれないというメリットは人々にとって無視できないものとなっています。

しかしながら、(本質的には悪では無いにせよ)魂と肉体の生死を取り扱うという部分に敏感にならざるを得ないし、魂の移し替えの結果生み出された狂人などの存在も危険な面を際立たせる要因となっています。上記の2国以外ではいまだ規制・禁止の対象でもあり、万人に受け入れられたとは言い難い学問です。

輪廻を乱し魂を弄ぶ禁忌か、新たな医療へと繋がる革新的な技術か、神々への冒涜か、魂の本質を紐解く創造主への道か…

人の理解を超えた神の領域に近づきつつあるこの学問、貴方が見極める必要があるかもしれません。



・神々

エオラを見守る11柱の神々。この世界で生きる者は誰でも知ってる基礎知識となっております。


ウォーディカ

法の女神。正義、約束、記憶、支配、復讐などを司る。全ての神々を支配していたが追放されたとか。


イオタス

光と贖いの神。夜明け、再生、春などを司る。農民に人気。ある日、レッドセラスという国に住むヴェイドウェンという農夫に憑依し国全体をまとめあげ、ゲームの舞台となるダイアウッド地方に侵略を仕掛けるが敗北。ヴェイドウェンの肉体と共に滅んだと言われています。
(関連用語…聖人ヴェイドウェン、聖者戦争、ヴェイドウェンの遺物)


マグラン

炎と戦争の女神。浄化、変換、消費、試練などを司る。一般的なマグランのプリーストたちは銃を好むとか。ヴェイドウェンの侵攻の際にはマグランの司祭たちに啓示を与え、強力な爆弾の製造に力を貸したそうな。その爆弾はヴェイドウェンの肉体だけでなく彼に宿っていたイオタスも滅ぼしたと言われており、神を殺した兵器…ゴッドハンマーと呼ばれています。


ガラヴェイン

あらゆる狩猟の神。追求、探検、発見、忍耐、荒野などを司る。狩猟民族や冒険者、暗殺者から学者まで様々な分野で人気のある神。狩人的な人たちはだいたい崇拝しています。


ベラス

生と死の神。扉や輪廻を司る。生を終わらし、死を終わらせる神。性別不詳の二人、もしくは双子の男女として描かれることが多いですが、青白い騎士の姿だったり骨のように痩せた老ドワーフの姿で現れたりもするそうです。


ワエル

夢と秘密、謎と啓示の神。他の神々からもよくわからん奴と思われてるくらいよくわからない性別不詳の神。目をモチーフにしたシンボルがありますが、その数や形に決まりは無いようです。ワエル信者もよくわからない人たちばかりです。


ハイレア

空と鳥の神。出産、歌、発明、芸術などを司る。割とまともそうな神様の一柱。


ライムガンド

侵食と崩壊の神。冬の獣として知られており、死、飢饉、疫病などを司る。ベラスと同様に死を扱っているがあちらは生もセット。対してこちらは冷酷で破壊的な死そのものといった感じ。信者たちは輪廻の果てに再び生を受けることを祝福ではなく罰と考えているとか。


オンドラ

海の女神。忘却、喪失、嘆きなどを司る。夜空に輝く月に恋をし、月に近づくために満潮にしたり高波を起こしてロマンチックな大災害を引き起こす神様で、全裸の女体にアンコウみたいな頭がくっついている逆人魚スタイル。しかも複乳という欲張りセット。
それはともかく、亡くなった人の形見や忘れたい思い出にまつわる品を寺院に預け、ギフトベアラーと呼ばれるオンドラのプリーストたちがそれを海に投げ入れて悲しみを癒すという習わしが有名です。


アビドン

生産の神。力、機械、義務、進歩そして維持などを司る。鍛冶場ギルドとの親和性100%な神様。教義も『まじめに働こう!』みたいなやつで労働者の味方です。


カエン

秘めた憎しみや恨みを司る神。マッドな部分が貧困層に人気の反逆の神。耳と鼻、瞼が削ぎ落とされた傷だらけのハゲのおっさんとして描かれる事が多く、極限まで追い詰められた信者はその身をカエンを捧げるために色んなところを削ぎ落としたりくり抜いたりする儀式を行なうらしいです。当然カルト集団的な扱いをされています。


上の方はよく出てくる名前で、下の5つくらいは日常の中ではやや影の薄い方々ですが脚光が当たるクエストも用意されてるので一応覚えておきましょう。DLCはオンドラとアビドンが主役級。



・アドラ

結晶構造を持つ貝殻のような鉱石『アドラ』は、エオーラ特有の物質です。多くの場所で採取できるうえに他の宝石よりも細工や彫刻が簡単で複雑かつ美しくカットできることから宝石商のお気に入りの半貴石でしたが、最近になってその真の価値…魂と結びつくという性質が明らかになったことからアニマンシーの研究対象にもなってます。魂を保存・輸送したり、導管として扱うことで肉体間を移動させたり、転送、束縛、さらには破壊まで、様々なアプローチで魂を扱うことを可能にしました。




一旦ここまで。次回は歴史編。

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