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ハギワラシンジ
2019年2月8日 21:45
線のような坂道を列車は下っていた。この時期において天候は移ろいやすく、先程まであれほど外は広かったのにも関わらず、すっかり灰色に沈んでいる。ミラー氏は冷たく吹き付ける風を何とかしようとして、窓を閉めた。すると冷たい風は無くなった。 列車の内装はあまり良いものではない。かつて人々を照らしていたであろう、天井に張り付いている照明は、鈍い光を放っており、ミラー氏の座っているソファは皮が磨り減って傷つ