「補い合う」関係 (2022/6/30)
記事の長さはおよそ1,600文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
アイリスのシステム「nodoca(ノドカ)」はインフルエンザの診療を支援する。約100病院から計50万枚を超える咽頭画像を集め、AIに読み込ませてきた。判定の所要時間は十数秒で、精度は7割超。
アイリスは17年創業。4月に厚労省から薬事承認を取得し、5月には発売に向けた資金を調達した。
厚労省によると、こうした診療支援AIを始めて薬事承認したのは18年で、22年3月末には承認が20件まで増えた。これまでは患者数が多く、画像データも豊富な肺と大腸の疾患向けが計18件と大半を占めていた。
最近はエンジニアがAIのソースコードをプログラム共有サイトに公表する流れが定着し、AI開発のハードルが下がってきた。
そこに医師が画像データを組み合わせ、対応部位を肺や大腸以外にも広げている。
慶應義塾大発のOUI Inc.(ウイインク)は22年度中に、白内障の診察を支援するAIアプリを薬事申請する。
アナウトは23年をメドに、腹腔手術の支援ロボットと連動するAIを薬事申請する計画。
地方では勤務条件の良い診療科に志望者が集中し、激務のイメージが強い外科などは敬遠される傾向にある。
AIシステムは発売後でも学習を重ねると判定精度を向上できる。だが、現状はソフトを更新するたびに薬事承認を取り直す必要があり、半年ほど時間がかかる。新興勢が技術を磨くと同時に、それを後押しする仕組みづくりも不可欠になる。
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AIを活用したスタートアップの診療支援サービスが、活躍の裾野を広げているそうです。
私はAIの進歩を肯定的に考えているので、活躍の場が広がっていくことを楽しみにしています。
でもAIがニュースになるときって、「AIに仕事を奪われる」といった類の否定的な論調も多いですよね。
2015年に発表された野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究で、「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能」との試算が出たことのインパクトが大きかったんでしょうね。
NRIニュースリリース:
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf
「仕事を奪われる」のように、自身の安全や安心が脅かされる事態が起こると、どうしても二元論的な考えに支配されがちです。
敵と味方(仕事を奪うAIは敵)
善と悪(人間の仕事を奪うのは悪いこと)
しかし実際には今回のAI診断の精度向上も、エンジニア(AI)と医師が協力することで実現しました。
エンジニアがAIのソースコードを共有
医師が画像データを組み合わせる
AIが学習し精度を高める
さまざまな治療でAIの精度が高まれば、人間の医師に人気がない地方の外科医を、ー 将来はわかりませんが、今のところは文句を言わない ー AIで代替できるようになります。
誰の仕事も奪うことなく、医師にも地方に住む患者にもメリットを与えることができます。
二元論(二項対立)的な対立が起こるのは、なにも人間とAIに限りません。
人間同士でも、社会のいろいろな場面で見受けられます。
男と女
若者と高齢者
独身と既婚者
高所得者と低所得者
大企業と中小企業
正規雇用と非正規
日本人と外国人 など
人間とAIが、対立するのではなく、お互いの得意なところを活かし足りない部分を補い合って診療精度を高めたように、それぞれのいいところや強みを活かして補完しあうことで、より良い社会を築いていきたいですね。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。