“大人の学び”での”先生”の役割「まとめ」
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前回の振り返り
前回と前々回の投稿で
”大人の学び”の”先生”の役割について説明しました。
前回のリンク:
前々回のリンク:
“大人の学び”の”先生”の役割をまとめるにあたって、
ぼくの”先生”の「経験」から得た「学び」について
お話しさせてください。
”先生”をやってみると
ぼく自身、教師として学校で教えたことはありませんが、
社会人向けの研修の場で、両方のタイプの”先生”を経験しました。
「答え」を一方的に教える”子どもの勉強”の先生”
「考え」「気づく」を支援する”大人の学び”の先生”
やってみた率直な感想をいえば、
”大人の学び”の”先生”のほうが圧倒的に難しいです。
”子どもの勉強”タイプの”先生”は、
「直前に」事前準備さえある程度やっておけば、
ちゃんと説明もできるし時間通りに進めることもできます。
かたや”大人の学びの”先生”は、そう簡単にはいきません。
研修本番でどんな疑問や質問が出てくるかわからないので、
どれだけ事前準備をしても充分とはいえません。
話題が広がっていくこともあるので、
教える分野以外の幅広い知識も求められます。
もちろん”先生”は「答え」を教える人ではないので、
すべての質問に答える必要はありません。
ですが、”大人の学び”では
学ぶ人に「考え」「気づいて」もらう必要があります。
そのため”先生”には、
「気づいて」もらえるような「適切な問いかけ」をするなど、
臨機応変な対応が求められます。
”大人の学び”の”先生”を上手くやろうと思えば、
担当する科目の勉強だけでなく幅広い知識も必要ですし、
多様な経験をしておくことが大切だなと感じました。
(失敗経験も)
さらに研修の場をうまく回し、
学ぶ人に「考え」「気づいて」もらうためには、
ファシリテーションやコーチング、傾聴などのスキルも必要です。
昔の知識や一夜漬けの勉強では対応できません。
継続的な学びを通じて教養を深める、
”人間力”を高めることが不可欠です。
ぼく自身”大人の学び”の”先生”を経験して、
多くの学びを得ることができました。
一番効果的な学びの方法は、
「試験問題に答える」ことではなく、
「試験問題を作る」ことだと聞いたことがあります。
”大人の学び”を効果的にやる最善の方法は、
”先生をやる”ことかもしれないですね。
リスキリングが進まない理由
ここ数年「リスキリング」・「学び直し」、
「人への投資」などの言葉が盛んに使われていますが、
ぼくの印象ではあまり進んでいるように思えません。
やる人は昔からやっていますし、
やらない人は相変わらずやっていません。
もちろん学ぶ側への働きかけは重要です。
ぼくには学ぶ側の「安心」と「あきらめ」が
リスキリングの進まない大きな原因に思えます。
進まない原因
終身雇用に「安心」して、新しいことを学ぶ必要性を感じない。
学ばなければ失業するという切迫感がない。
どうせ学んでも良くならないと「あきらめ」ている。
一方で教える側の問題も大きいと考えています。
社会人の研修でも、
いまだに「答え」を教える”子どもの勉強”タイプが主流です。
子どもの頃からこの方法でしかやったことがないので、
これでいいと思っている。
あるいは他の”勉強方法”を知らないのかもしれません。
でも”大人の学び”の”先生”に対応できる人が圧倒的に少なく、
”大人の学び”スタイルの研修が成立しないことにも
大きな原因があるように思います。
研修を受けさせる立場の人にとっては、
「研修をやる」ことが最優先で、
「効果」「成果!」は期待していないのかもしれませんが(泣)
正直いって、
ある程度の知識を蓄え、それなりの経験を積んだ大人には
”子どもの勉強”スタイルの研修は退屈です。
「リスキリング」という言葉が流行ろうが流行るまいが、
国の政策になろうがなるまいが、
ぼくは生涯を通じた学びはとても大事だと考えています。
どれだけ”大人の学び”スタイルの学びの場が増やせるか。
「幸せな人生を過ごす」=「自分満足」な人を増やすための
重要なカギになると思えてなりません。
投稿の保存先
”大人の学び”についての投稿は今回で終了です。
お読みいただき、ありがとうございました。
これまでの投稿は「マガジン」に保存しています。
ぼくの「学び」についての考えへの感想や、
みなさんの「学び」についてのご意見など
聞かせていただけると嬉しいです。
ディアログ合同会社 小川剛司(つよし)
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」